北ミサイル:米本土射程ICBM、大気圏再突入など技術的な課題も

銀河3号より射程延伸、搭載重量は2倍に

■「赤煙硝酸の使用は、ミサイルだという有力な証拠」

 国防部の関係者は、9日のブリーフィングで「北朝鮮は『人工衛星打ち上げ』と主張しているが、これは長距離弾道ミサイルのテストを偽装するため」と語り、その根拠の一つとして、北朝鮮が酸化剤に用いる「赤煙硝酸(RFNA)」を挙げた。RFNAは、常温では液体で、長期間保存することができ、ミサイル用に適している。北朝鮮のスカッドやノドン、ムスダン・ミサイルもRFNAを使用している。しかし人体に有害な毒性があるため、ロケット先進国では、代わりに安全な液体酸素を使っている。液体酸素は、常に零下183度を維持する必要があるなど保管条件が厳しく、軍事用としては適さない。

 また国防部は、ICBMの中心技術の一つに挙げられる弾頭の大気圏再突入技術について「北朝鮮はまだ確保できていない」とみていることを明らかにした。韓国軍の関係者は「回収されたフェアリングはアルミニウムに耐熱材を取り付けたという程度で、弾頭の再突入技術を持っているかどうか、これだけでは確認困難」と語った。ICBMの弾頭は、大気圏に再突入する際、6000-7000度の高熱と衝撃に耐えなければならない。北朝鮮は射程3000-4000キロのムスダン・ミサイルを既に実戦配備しているが、このミサイルの弾頭は再突入の際、2000-3000度の熱に耐えることができるといわれている

 軌道投入に成功した衛星が正常に動いているかどうかも関心の的だ。衛星がロケット3段目から切り離されて軌道に進入するプロセスでは、姿勢を制御する必要があり、一般的には衛星自身の推進装置を用いる。しかし光明星4号は、推進装置を積んでいるかどうか確認されていない。推進装置がない場合、衛星の地球落下を防ぐのが難しく、墜落する可能性が高いという。

ユ・ヨンウォン記者 , チョン・ヒョンソク記者
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