【ウィーン=共同】チェコ国立博物館で16日、オーストリアの音楽家モーツァルト(1756~91年)とイタリアの作曲家サリエリ(1750~1825年)らが1785年に共作した曲がチェンバロの演奏で披露された。この曲は共作であることが最近になって確認された。公の場での演奏は約200年ぶりとみられる。
サリエリを巡っては、モーツァルトの才能に嫉妬して毒殺したとの説があり、映画「アマデウス」でも取り上げられたが、音楽研究家の間では否定されている。同博物館は「2人がライバルではなく、音楽家として互いに尊敬していたことを示す新たな証拠」としている。
イタリアの詩人ダ・ポンテの歌詞にモーツァルト、サリエリらが曲をつけたとみられている。
楽譜は印刷年が不明だが、1950年代に旧チェコスロバキアの社会主義化に伴う貴族財産の国有化で、国立博物館の所蔵品になった。博物館が昨年、楽譜をインターネットで公開。ドイツの音楽研究家の指摘で共作と確認された。
モーツァルトはウィーンで活躍し宮廷作曲家となった。サリエリはウィーンの宮廷楽長だった。
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