「大山都どり」実はブロイラー 自首受け捜査
京都市南区の食肉加工会社「都ジャパン」が九州産の若鶏(ブロイラー)を鳥取産の銘柄鶏「大山(だいせん)都どり」と偽って取引先に販売していたことが17日、同社関係者への取材で分かった。社長も記者会見して偽装を認めた。京都府警は、自首した社長から事情を聴き、関係先を家宅捜索するなどし、不正競争防止法違反容疑で捜査している。恒常的に偽装が行われており、同社のモラルが問われそうだ。
同社の30代の男性社員によると、同社は同じ敷地内にある関連会社の加工場で、作業員がブロイラーを「大山都どり」と表示されたビニール袋に詰め替え、京都府内の小売店などに出荷していた。賞味期限がばらばらの肉を一つの商品として袋に詰めることもあったという。
関係者によると、鶏もも肉1キロあたりの相場は、ブロイラーが通常約600〜700円、大山都どりは約850〜900円で、偽装により利ざやを稼いでいたとみられる。
都ジャパンは2001年5月に設立され、年間売上高は約20億円。京都、大阪、滋賀などの大手食肉小売店やスーパー数百店に鶏肉を販売している。
京都市内で17日に会見した久後(くご)勝巳社長(50)は、社長の主導で06年ごろから昨年3月にかけて、年約8万キロの鶏肉を偽装していたことを認めた。年400万〜500万円の利益があったという。久後社長は「消費者、関係者に多大なご迷惑をおかけし、おわびする」と謝罪し、近く経営陣が辞任し、会社を廃業することを明らかにした。【岡崎英遠、花澤葵】