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「新規会員」と宿結託しポイント分現金詐取

「じゃらん」のウェブサイト画面

 大手宿泊予約サイト「じゃらん」の新規会員向けポイントサービスを悪用し現金をだまし取ったとして、警視庁サイバー犯罪対策課は17日、沖縄県宜野湾市大謝名、簡易宿泊所経営、瑞慶山(ずけやま)文雄(54)と、宮崎県都城市関之尾町、無職、宇羽野真史(34)の両容疑者を電子計算機使用詐欺容疑で逮捕したと発表した。

 宿泊客役の宇羽野容疑者と瑞慶山容疑者の宿泊所側が共謀して、付与されたポイントを使って3000回以上宿泊したと装い、サイト運営会社から総額約300万円をだまし取ったという。

 同課によると、じゃらんは、利用者が新規に会員登録すると、1ポイント=1円で宿泊費の一部に利用できる割引ポイントを1000ポイント発行していた。このポイントを使って利用者が宿泊したホテルや旅館に対しては、運営会社がポイント分の代金を支払う仕組みになっていた。

 宇羽野容疑者はこのシステムを悪用し、複数のメールアドレスを使って新規会員登録を繰り返して、そのアドレスごとに1000ポイントずつを取得。じゃらん上で、それぞれのアドレスごとに、瑞慶山容疑者が那覇市内で経営している宿泊所への架空の予約を繰り返していた。

 一方、瑞慶山容疑者は、宇羽野容疑者がポイントを利用して実際に宿泊したとする虚偽の情報を運営会社側に送信。運営会社から支払われたポイント分の現金を詐取し、宇羽野容疑者と分けていたとみられる。

 2人の逮捕容疑は昨年4〜6月、こうした手口を3033回繰り返し、運営会社から現金303万3000円をだまし取ったとしている。いずれも容疑を認めているという。

 この期間に、じゃらん経由で瑞慶山容疑者の宿泊所に入った予約は3069件で、大半が宇羽野容疑者による空予約だったという。

 宇羽野容疑者は「3年前ぐらいから始め、1000万円以上をだまし取った」とも供述しており、瑞慶山容疑者の取り分も含めると被害額が2000万円に上る可能性がある。不正に気づいた運営会社が昨年9月、警視庁に被害を相談していた。【斎川瞳】

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