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悩めるビギナーをスパッと診断
ハイスコアを目指し試行錯誤を繰り返すビギナーの方は多いはず。そんな方々の質問や疑問に、(社)日本ボウリング協会のマスターインストラクター宮田氏がお答えします。
カウンセラー 宮田哲郎
ライセンスNo.140のプロ6期生。(社)日本プロボウリング協会マスターインストラクター。プロボウラーやセンター社員の教育、指導を専門とする。ビギナーにもわかりやすい指導を1冊にまとめた『スポーツ・ボウリング』(ベースボール・マガジン社)ほか著書多数。
第5回
(1)シャドウボウリングのよいやり方は?
【質問】
 シャドウボウリングとは、ボールを持たずにスイングとステップをして、よいフォームやタイミングをつかむ練習だと思いますが、能率のよいやり方や注意点などを教えてください。ボウリング歴7年、40歳、ボールは14ポンドでアベは140。10日に1度、2ゲームくらい練習しています。

【回答】
 自室でよくシャドウボウリングをやっておられるとのこと。私もよくやりました。
 シャドウは、下がよく滑る廊下やじゅうたんの上でやるのが効果的です。ラストステップはスライドになるので、スポーツソックスを履いてやるといいでしょう。それからボールに見立てたアイロンを使って、ステップせず立ったまま、腕の振りの正しいフィーリングを覚える方法もあります。
 ご自宅にボールはありますか? もしセンターのロッカーにあずけていたとしても、ご心配なく。シャドウは本物のボールでなくてもできるからです。重くて、しっかりつかめるアイロンやグレープフルーツ、ソフトボールの大きいほうでも代用できます。
 助走は何歩ですか?
 基本どおりの4歩なら、1歩目の歩幅に気をつけてください。1歩目を30センチ以上も大きく踏み出すと、2歩目の動きが一瞬止まってしまいます。
 4歩、5歩にかかわらず、ボウリングの助走で大切なポイントは、1歩目と2歩目を極力小さくすることです。そうすれば3歩目から滑らかに、自然に加速できて、いいフィーリングになってきます。1歩目は、せいぜい20センチ程度で始めるようにしましょう。
 次に、助走中はなにを考えていますか?もちろん頭の中ではテンポを刻んでいるはずですが、このテンポは4歩でも5歩でも同じになっていると思います。
 ここが大切なところで、テンポは同じでも、ステップのほうは歩幅が自然に広がり、結果として助走全体が加速されることが理想的なのです。まるで尺取虫のように、すべて同じ歩幅、同じリズムで歩いたら、実際の投球はかなり遅いボールになってしまう恐れがあるのです。
 続いて、助走の姿勢です。
 はじめはアップライト(棒立ち)のようになっていても、助走が始まるとともに前傾していくとよいのですが、いかがでしょうか。
 実は、リリースのときに、ひざを一瞬伸び上がらせるように使うことが理想に近いのです。伸び上がるようにして投げる人など、あまり見かけないかもしれませんが、外から見ていてわからなくても、伸び上がる力をわずかでも使っているのです。
 ボールの速度が足りない人は、この助走の加速とリリース時の伸び上がりを利用してボールに力を伝えることが不足していたり、あるいは腰の使い方が不十分であったりすることが多いようです。
 上級選手は、必要ならいつもより助走にアクセントをつけ、ボールに速度をつけたり、リリースに強弱をつけたりと、さまざまなテクニックを駆使しています。
 余談ですが、上達すればするほど、レーンコンディションに対応するハイテクとして、ボールの速度調整が必要になってきます。
 また、もしあなたが5歩助走でしたら、最初のステップでは、ボールを持つ手はなにもしない、ということに細心の注意を払ってください。
 4歩助走のように1歩目でプッシュアウェイをしたくても、ここでは手をぴくりとも動かさず、ボールを構えたまま、左の足からソロリと助走を開始するのです。あとは、いままでの4歩助走と変わることはありません。
 自宅でできる、スイングの効果的な練習方法もひとつご紹介しておきましょう。
 バケツに水を7分目程度に張り、こぼれないように振り回すのです。ひじや肩に余計な力が入っていたら、頭からずぶぬれになってしまいますのでご注意を!目標は、円を描くように、完全に振り回せるようになることです。ぜひ試してみてください。
 最後に。実技の練習量が足りないように思われます。2ゲームといわず3ゲーム以上、頻度も週に2回ほど練習されるとよいと思うのですが、いかかでしょうか。


シャドウボウリングのチェックポイント(4歩助走の場合)

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