北スキー場ケーブルカーは中国が仲介、安保理制裁が機能せず

北スキー場ケーブルカーは中国が仲介、安保理制裁が機能せず

 北朝鮮が外貨獲得を目的として2013年末に同国東部にオープンした馬息嶺スキー場に設置されたオーストリア製ケーブルカーを中国企業が仲介していたことが明らかになった。このため、北朝鮮へのぜいたく品の輸出を禁止している国連安保理の対北朝鮮制裁決議が何の役にも立っていないとの批判が出ている。馬息嶺スキー場は江原道元山市付近にスイスのスキー場をモデルに建設され、長さ49.6キロメートルの滑走コース、屋外スケート場、プールなどを備えている。

 米ニューヨーク・タイムズは5日、オーストリアのケーブルカー製造業者、ドッペルマイヤーと流通業者、プロアルパインの関係者の話として、オーストリアのイシュグルスキー場で使われていたケーブルカーが中国企業経由で北朝鮮に販売されたと報じた。また、馬息嶺スキー場を最近利用した外国人がSNSに掲載した写真でも、これまでのリフトに加え、ケーブルカーが設置されているのが確認された。

 国連安保理の対北朝鮮制裁決議には、宝石、高級自動車、シャンパン、キャビア、ヨットなどのぜいたく品を北朝鮮への禁輸対象品目として挙げている。しかし、馬息嶺スキー場の建設過程で自国企業が設備供給を行ってきた中国は「北朝鮮でスキーは大衆スポーツであり、スキー場の設備はぜいたく品には当たらない」と主張している。ニューヨーク・タイムズは「大半の北朝鮮住民が貧しく、食糧難に苦しんでいる。2006年に国連安保理による対北朝鮮制裁が始まった後も、中国は石油輸入、金融取引、船舶輸送などを北朝鮮に認めており、数十億ドル規模のぜいたく品もそれに混ざって北朝鮮に入った」と報じた。

ニューヨーク=金徳翰(キム・ドクハン)特派員
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