銀行員を信用してはいけない。ましてや銀行が苦境に立たされる「マイナス金利時代」ならなおさらだ——。
みずほ銀行出身の作家で『会社という病』を上梓した江上剛氏と、『信じていいのか銀行員』の著者で、転職12回の中で自身も銀行に勤めたことのある経済評論家・山崎元氏が語り合った。
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江上 銀行員は、顧客から信用されすぎですよね。でも銀行はバブルの時代から今に至るまで、よく悪さをするんですよ。資産運用の場面でも顧客に「安心」と説明して金融商品を買わせておいて、損をさせるのはよくあることです。
私が支店長だった時代、本部から「窓口での投資信託の販売を強化しろ」という指示がありました。私はお客さんに損をさせるかもしれないと思い、どうも気が進まなかった。
そこでノルマを達成するために、女房に内緒で自分の定期預金を崩して、買ったんです。
山崎 生保業界で言うところの「自爆」ですね。
江上 そうしたら、結局7割くらいに目減りしちゃいました。お客さんに売らなくてよかったなぁと思いましたよ。
今はもっと露骨で、窓口に行くと、投資信託などのセールスを盛んに受けます。投信を売れば、手数料が入ってきて、銀行の収益が改善するからです。
山崎 しかも、銀行員は顧客の資産状況を知っているからタチが悪い。証券会社の場合だと、セールスを断られる理由で一番多いのが「今、おカネがないから」です。ところが、銀行員にこのセリフは通用しない。
たとえば500万円の定期預金が満期になったとします。銀行の窓口に行くと、「預金金利はすごく低いですよ。元本保証ではないですが、分配金が毎月安定的に入ってくる投資信託を『自分年金』として持ってみてはいかがでしょう」といった具合に勧誘してきます。
これに素人が反論することは案外難しい。
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