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2016-02-17 密室はいかに裁かれるのか

「どんなに密室トリック練っても、警察は『合鍵あったんだろ』と思うだけだから無意味」(原田実氏) - 見えない道場本舗
実際には密室トリックは事故死か自殺に見せかける目的以外では意味がないんですよね。警察は合いかぎがあったとみなすだけ@mapacom @AM710_Q10_MK2 @showaretoro @lupus211 @ant_onion @dandonban @777ume777
— 原田 実 (@gishigaku) 2016, 2月 15
これはねえ、オレもヒトコト口を出さずにはおれん話題ですよ。
世界初のミステリとされる、ポーの「モルグ街の殺人」からして密室ものだったし、密室はいつもミステリの華でありました。
そして、「密室なんて意味ない。名探偵なんて絵空事」というツッコミも古くからありました。
娯楽としての殺人―探偵小説・成長とその時代 (クライム・ブックス)
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東野圭吾が『名探偵の掟』でパロディにしたのも、gryphonさんが言及しているとおりです。
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しかしながら、密室を扱った本格ミステリの傑作では、その辺の必然性をきっちりクリアしているものがほとんどです。
密室の本当の価値は、「いかにして密室はつくられたか」より「なぜ密室はつくられねばならなかったのか」にある、といってもいいでしょう。
密室を、作り方から分類する試みは多くの作家・評論家がそれぞれやっているのでここでは挙げませんが、密室の効果について、僭越ながらいくつかに分類してみます。
ざっくり分けると、ミステリにおいて、犯人が密室を作る理由は5つといえます。
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ほかにもあるかもしれませんが、まぁざっとこんなものでしょう。ちなみにこれは犯人の都合を分類したものであって、作者の都合ではありません。「犯人が意図せず、偶然に密室が形成される」というパターンもありますが、犯人の意図ではないので本エントリでは除外しました。
また、ミステリにおける「密室」というのは、単に施錠された部屋を指すだけではなく、「雪の上に足跡がない」「出入口が監視されていた」などの場合も「密室」と呼ばれます。
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『本陣殺人事件』は日本家屋における密室殺人を成立させるため、雪という舞台装置を使っていますし、『ブラウン神父の無心』に収録されている「透明人間」(昔の訳では「見えない人」と表記されていた)は、厳重な監視の盲点を描いて名高い作品です。これらも「合鍵」では説明できない種類ですね。
「密室」についてくわしく知りたい人は、天城一の『密室犯罪学教程』が参考になります。
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数学の先生が書いた本なのでとてつもなくカテエ文章ですが、これ以上にくわしい分類はおそらくないでしょう。
また、密室を構成する建物の構造に着目して、ミステリ作家の有栖川有栖と一級建築士が語り合う本も、なかなか興味深い内容でした。
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とにもかくにも、誕生以来170年を経て、幾多のツッコミを浴びてなお「密室」は人々を魅了してやまないのであります。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/job/wlb/kaneko/20150610-OYT8T50197.html
まるでサスペンス? 密室はいかに裁かれるのか(1)
セクハラ事件の一番やっかいなことは、事件の多くが二人だけの場面で起こされている場合が多いことです。
そして、当事者双方の言い分がまったく同じであれば問題はないのですが、言い分に食い違いがあることが多く、180度違うこともしばしば起きます。
まさに事件があったのかなかったのかの判断は、2人だけの密室の中にあるということになります。そこで、2人の言い分から事実の有無を判断しなければならないわけですから、そのジャッジには多くの困難が伴うのはいうまでもありません。
タイトルで「これは本格ミステリの評論に違いない!」と思ったら、セクハラの話だったのでがっかりしました。密室といったら殺人だろうが!(不穏当な発言)