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第38回 企業にも「心の時代」(2) 心を病む社員の増加とマインドフルネス

2016/02/17
相馬 正幸=グローバル アライアンス代表 (筆者執筆記事一覧

 「VUCAワールド」という言葉がある。もともとは、軍隊用語だが、ビジネスの分野でもよく使われている。ビジネスモデル、マーケットがすぐに成熟して陳腐化してしまう変動的(Volatile)ビジネス環境、異常気象や自然災害、政変、経済環境の急変など先が読めない不確実な(Uncertain)世界、様々な変動的な要素が複雑(Complex)に絡み合う中、曖昧模糊とした(Ambiguous)状況という意味で、4つのキーワードの頭文字を並べたものだ。

 こうした状況にきちんと対応できるようなスーパーな人材は、どの企業も喉から手がでるほど欲がっている。欧米のグローバル企業では、社内に必要とする人材がいない場合は、外部から欲しいスペックの人材を引き抜いて「ダメならチェンジ」が基本だった。しかし、そんな人材はなかなかいるものではない。

 それならば、そういう人材を社内で育成していかなければならない。しかし、高まる企業の要求レベルと現実のギャップに、社員のストレスレベルが急上昇し、心を病む人々も増加してきた。

 そこで、ここにきて有名グローバル企業の中に変化が見え始めた。優秀な人材が枯渇する中、企業としても必要な人材を今まで以上に時間とコストをかけて腰をすえて育成し、同時に人材を使い捨てするのではなく、福利厚生の一環として社員のメンタルヘルスのサポートをしていこうという動きだ。

 その具体例が、テクノロジー企業の代表格といえる米Googleや米Intelなどで採用され注目されている、社員能力開発研修プログラムであるマインドフルネス・プログラムだ。

 今や、最も働きたい企業No.1とさえ言われているGoogleは、社員に働きやすい最高の環境を提供していることで有名だ。その反面、社員に対する要求レベルも非常に高い。

 常に求め続けられる創造力の発揮と、画期的なアイデアの実現。現実は、そう簡単に素晴らしい創造力を発揮して画期的なアイデアを実現できるものではない。Googleで働く社員は様々なストレスを感じているはずだ。

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