ライフハッカー編集部 - iPhone,iPhoneアプリ,スマートフォン 11:00 PM
Apple純正アプリで使える「3D Touch」全機能をおさらい
MakeUseOf:「3D Touch」は、ディスプレイ技術に関してAppleが生み出した、ここ数年では最大の進歩です。この新機能により実現する素早く快適なユーザー体験はとても魅力的なので、既存の「iPhone」ユーザーは3D Touch機能を搭載した新モデルに買い換えるべきか悩み、「Android」ユーザーにとっても乗り換えを考えるきっかけになっています。
実際のところ、3D Touchは圧力を感知するタッチパネルに格好良い名前をつけただけなのですが、これによってiOSの入力コマンドの幅がぐんと広がりました。この技術の最大のメリットは、アプリの機能やメニューのオプションを3D Touchに割り当てることで、目当ての項目にたどり着きやすくなり、操作時間を大幅に短縮できる点にあります。
これまで米MakeUseOfでは、この新技術を活用するためにAppleがiOSに組み込んだ、気の利いた新機能をまとめた記事を作成していませんでした。そこでこの記事では、iPhoneの画面を強めに押すだけで呼び出せる、iOSネイティブの機能をすべてご紹介しましょう。
基本的な3D Touch操作
3D Touchで実行可能な操作には、いくつかの種類があります。その1つが「Peek とPop」、もう1つが「クイックアクション」です。Peekはその名の通り、指で押し込む操作(プレス)で、選んだ項目を実際に開かずにその内容をプレビューし、指を放すとプレビュー画面が閉じるという機能です。PopはPeekで選んだ項目をさらに強く押す操作で、こうすると項目が開きます。クイックアクションはアプリのアイコンやメニューオプションを強めに押すと、クイックメニューが出てくるというものです。
また、現在プレビュー中の「iOS 9.3」では、さらに新たな機能が3D Touchに追加される予定です。以下に説明するアプリにもさらに新しい機能が加わるほか、『コンパス』『ヘルスケア』『設定』『株価』『天気』といったアプリも3D Touch対応になります。Appleが(おそらく)2016年9月のリリースに向け、iPhoneの次期モデルの準備を進めるのに伴い、3D Touchは今後さらに広く使われるようになり、この機能をサポートするサードパーティーのアプリ開発者もどんどん増えていくでしょう。
ホーム画面で使える3D Touch機能
3D Touchの導入でiPhoneユーザーが一番便利に感じる機能の1つは、ホーム画面からのショートカットへのアクセス(Appleの言うクイックアクション)でしょう。使いたいアプリのアイコンをプレスし、押したままの状態を保つと、クイックアクションが起動してメニューがポップアップします。メニューが表示されたら、指を放してアイテムを選びましょう。
iPhoneのホーム画面から3D Touchを使ってアクセスできるすべての機能とショートカットを、以下にまとめました。
連絡先関連
- メッセージ:直近でメッセージを送った3件の連絡先が表示されるほか、ここから会話を始めたり、新しいメッセージを作成したりすることができます。
- 電話:「よく使う項目」の中で上位3件の連絡先が表示されるほか、新しい連絡先の作成が可能です。また、よく使う項目に表示される連絡先の順番を入れ替え、このメニューに表示させたい相手を上位に持ってくることも可能です。
- メール:すべての受信箱を合計した未読メール数や、VIP登録の連絡先からのメールが表示されます。またメールの検索や新しいメッセージの作成が可能です。
- FaceTime:最近FaceTimeを使って話をした連絡先へのFacetimeリンクが表示されます。
- 連絡先:ユーザーの個人情報が表示されるほか、新たな連絡先の作成ができます。
- 友達を探す:自分の位置情報を共有したり、自分と位置情報を共有している友達が今いる場所を閲覧したりできます。
エンターテインメント
- ミュージック:自分のミュージックライブラリの検索、あるいはライブラリからの再生が可能です。
- Safari:リーディングリストやお気に入りの閲覧、新しいタブを開く(プライベートブラウズ、あるいは通常のタブ)操作が可能です。
- iTunes Store:iTunes Cardからの入金、iTunesの検索ができます。
- Podcast:登録済みのポッドキャスト4件について、最新エピソードを再生できます。エピソードの再生を始めたあとは、そのエピソードの残り時間を教えてくれます。
- App Store:iTunes Cardからの入金、App Storeの検索ができます。iOS 9.3では、すべてのアプリのアップデートや購入済みアプリのリスト閲覧が可能になる予定です。
- iBooks:手元にあるブックをすべて表示するほか、iBook Storeの検索が可能です。
- Game Center:友達リクエストを閲覧、送信できます。
写真と動画
- カメラ:写真の撮影、スローあるいは通常のビデオ撮影、前面カメラでの写真撮影が可能です。
- 写真:最近撮影した写真、お気に入りの閲覧や、写真の検索ができます。
生産性およびライフスタイルアプリ
- 時計:新規アラーム項目の作成、ストップウォッチの開始(再開)、タイマーの開始(再開)ができます。
- Wallet:最新のトランザクション、あるいはApple Walletとリンクさせたカードの呼び出しが可能です。
- マップ:現在地から自宅への道順案内、自分の現在位置をマップで表示、現在位置を連絡先に送付、近くのスポットの検索ができます。
- メモ:新規メモやスケッチの作成ができます。
- リマインダー:4つあるリマインダーリストのどれか1つについて、新規リマインダーを作成できます。
- カレンダー:新規イベントを作成できます。
- ボイスメモ:新規録音を作成できます。
Peekでプレビュー可能な情報
これまで挙げてきたデフォルトアプリでは、3D Touchを使うことで内容の一部情報をプレビューできますが、この操作はPeekと名付けられていて、アイコンをプレスするとポップアップウィンドウが開き、ここにアプリ内のコンテンツのさらなる情報が表示されます。指を放すと、ウィンドウも閉じます。
アプリによっては、上にスワイプするとメニューが開き、Peekで開いたウィンドウについて操作ができるものもあります。何もしない場合は、下にスワイプすればウィンドウが閉じます。メニューを使う場合は、指を放してメニューから項目を選びましょう。
連絡先関連
- メッセージ:選んで押した会話の最新メッセージが閲覧できます。
- 電話/FaceTime/連絡先:これら3つのアプリのいずれかで連絡先のカードをプレスすると、メニューが表示され、その人に関して保存されている情報を使って相手に連絡が取れます。連絡手段は、電話、メッセージ、FaceTime、メールが選べます。番号が保存されていない場合も、既存の連絡先に追加したり、新規連絡先を作成したりできます。
- メール:Peekで選んだメッセージをプレビューできます。指を放せばプレビューは閉じますが、そのまま上にスワイプすると、返信、転送、マーク、スレッドの更新通知の起動、メッセージの移動が可能になります。メッセージをプレビュー中に右にスワイプすればゴミ箱に、左にスワイプすれば未読扱いになります。
- 友達を探す:あなたの友達の現在位置がポップアップマップで表示されます。
エンターテインメント
- ミュージック:アーティスト、アルバム、プレイリストの情報がPeekできます。
- Safari: 画像をより大きなサイズでプレビューしたり、リンク先のサイトをPeekしたりできます。上にスワイプすると選択したリンクを新しいタブで開く、リーディングリストに追加する、コピーする操作が可能になります。
- Podcast:登録しているポッドキャストの未再生エピソードをPeekできます。
- iBooks:ライブラリにあるブックの表紙をPeekできます。上へのスワイプでその本を共有でき、リンクをクリックでiBook Storeで選んだ本が表示されます。
- News:Newsアプリ内の記事やお気に入り、チャンネルをPeekできます。ニュース項目を上にスワイプするとお気に入り登録、保存、共有ができるほか、チャンネルのミュートも可能です。お気に入り項目を上にスワイプすると、お気に入りから削除するオプションが選べます。チャンネルを上にスワイプすると、お気に入りに追加されます。
写真と動画
- カメラ:最後に撮った写真をプレビューできます。
- 写真:アルバムに保存された写真のプレビューをPeekできます。動画にPeek操作をすると、指で押さえている間、その映像が再生されます。上にスワイプすると、写真の場合はコピー、共有、お気に入りに追加、削除が、動画だと共有、お気に入りに追加、削除が可能になります。
生産性およびライフスタイルアプリ
- マップ:マップでPeek操作をすると、現在いる場所の位置情報を共有できます。近くのスポットをPeekするとYelpから基本情報が表示されるほか、その場所への道順案内が選べるメニューにアクセスできます。さらに、そのスポットのホームページを開いたり、電話をかけたり、誰かとその場所の情報を共有したりすることも可能です。これらの情報のうち、提供されていないものがある場合は、そのオプションがグレーで表示され、選択できなくなります。
- メモ:メモの内容をPeekできます。上にスワイプでメモの共有、移動、削除が可能です。
- リマインダー:リマインダーのイベントをPeekすると、そのイベントについて時間の選択や編集が可能になります。あるいは、このリマインダーが起動する場所を選ぶことも可能です。
- カレンダー:カレンダーの項目の内容をPeekできます。上にスワイプで削除が可能です。ほかの人から来た出席依頼をPeekし、上にスワイプすると、その依頼に出席、あるいは欠席の返事ができます。
リンク、住所、日付
メールやメッセージ、Safariなど、リンクや住所、日付を表示できるアプリであれば、これらの項目に含まれている情報をPeekできます。
- リンク:リンク先のコンテンツをPeekできます。上にスワイプすればリンクを開いたり、リーディングリストに追加したり、コピーしたりできます。
- 住所:Appleのマップで選んだ場所をPeekできます。上にスワイプすれば道案内へのアクセスや、マップアプリでの表示、連絡先への追加、コピーが可能です。
- 日付:日付にPeek操作をすると、その日のカレンダーに記された予定を見ることができます。上にスワイプすると新規イベントの作成、日付のコピー、イベントのカレンダーでの表示が可能になります。そのイベントがまだカレンダーに登録されていない場合は、最後の項目は表示されません。
そのほかの3D Touch機能
メモアプリでスケッチを作成するときも、3D Touch機能を使い、筆圧によって線の太さや濃さを調整することができます。
3D Touchのもう1つの機能として、iPhoneのキーボード部分をプレスすると、トラックパッドに変わるというものがあります。これを使えば、テキストの編集時に、カーソルをより正確に操作できます。
また、画面の左側をプレスし、左側にスワイプすると、今開いているアプリが表示されます。このマルチタスキング画面は、ホームボタンをダブルタップして表示されるものと同じですし、そちらのほうが操作もずっと楽なので、わざわざ使うまでもない機能のように思えます。
3D Touchは、「Live Photos」やこれを使った壁紙でも有効で、プレスすると写真が動き始めます。Live Photosの詳細やその仕組みについては、こちらの英文記事を参照してください。
3D Touchに足りない機能は?
3D Touchには、足りない機能がまだまだたくさんあります。iTunes StoreやApp Store、iBookでアプリや本、アルバムの説明文が読めたらうれしいですよね。さらに、上にスワイプするだけでダウンロードできれば理想的です。
3D Touchとカレンダーの連携についても、メールに記されたイベントの日付を上にスワイプするだけで、そのイベントがカレンダーに追加され、必要事項が自動的に入力されたなら、とても便利なはずです。
Appleに追加してほしい、3D Touchを活用した機能はありませんか?
Everything You Can Do With 3D Touch on Your iPhone|MakeUseOf
Nancy Messieh(/訳:長谷 睦/ガリレオ)
Denys Prykhodov / Shutterstock.com