2015年に始まった電力市場の改革スピードが一気に加速する。まもなく4月から電力の小売が全面自由化になり、新たな日本のエネルギー市場の誕生に向けて事業者だけではなく、われわれ利用者にも変革の波は迫ってくる。2017年には都市ガスの小売全面自由化も進んで、電力とガス、さらに石油や水素を加えて、エネルギーの最適な利用方法と購入形態が問われる時代になる(図1)。
電力会社が電気を創る・送る・売るのすべてを担っていた状況は一変する。ガスも同様だ。再生可能エネルギーを含めて全国の至るところに発電設備が広がる一方、携帯電話会社や住宅メーカーも企業や家庭に電力とガスを販売する(図2)。その間をつなぐ送配電網やガス導管は電力会社とガス会社が運営するものの、あらゆる事業者が同じ条件で使えるようになる。
そうなると小売事業の競争のポイントは、いかに大量の電力やガスを安く調達して、魅力ある料金プランを提示できるかにかかってくる。その点では既存の電力会社とガス会社が有利に見えるが、新規に参入する事業者は従来にない商品やサービスを組み合わせて、料金とサービスの両面で対抗することが可能だ。
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