「師匠」から「人格」を学ぶ
先生は、昨年上梓された新著、『人は、誰もが「多重人格」 - 誰も語らなかった「才能開花の技法」』において、人は、誰もが心の中に「複数の人格」を持った「多重人格」であり、日常においては、無意識に、仕事や生活の状況や場面に合わせて「様々な人格」を使い分け、それによって、他人と円滑にコミュニケーションを取り、仕事で高いパフォーマンスを発揮していると述べられていますね。
そして、この本において、我々の中の「隠れた人格」には、「表層人格」「深層人格」「抑圧人格」の「3つのレベル」があり、「隠れた人格」がどのレベルかによって、それを開花させ、活用する技法が異なってくると述べられています。
前回は、第1の「表層人格」を開花させ、活用する技法を教えて頂きましたが、では、第2の「深層人格」を開花させるためには、どのような技法を実践すればよいのでしょうか?
田坂:「深層人格」とは、日常の仕事や生活において、まだ表に出ていない人格のことですが、これを、どうすれば開花させていくことができるのか?
そのための技法も、色々ありますが、ここでは、特に重要な「3つの技法」を紹介しておきましょう。
第1は、
優れたプロフェッショナルを「師匠」として
その「師匠」から「人格」を学ぶ
という技法です。
「師匠」から「人格」を学ぶのですか?
「師匠」から学ぶのは、「技術」や「心得」ではないのですか?
田坂先生の著書では、しばしば、そのことを語られていますね?
「人格」が…学べるのですか?
田坂:そうです。例えば、職場で優れたリーダーシップを発揮している上司からは、その上司を「師匠」として「リーダーシップ人格」を学ぶことができます。
また、優れた営業力を発揮している上司からは「営業プロフェッショナル人格」、企画力を発揮している上司からは「企画プロフェッショナル人格」を学ぶことができます。
「リーダーシップ人格」とは、学べるものなのですか?
そもそも「リーダー」に向いている人と、向いていない人がいるような気がしますが…?
田坂:いや、逆ですね。実は、誰もが持っていながら開花せずに終わっているのが、この「リーダーシップ人格」なのです。
前回、誰もが「すべての人格」を持っていると言いましたが、この「リーダーシップ人格」も、基本的には、誰もが持っているのですが、誰もがそれを発揮する機会を持つわけではないので、開花せずに終わることが多いのです。
特に、この人格は、ある状況や立場に置かれると、自然に開花する人格でもあるのです。
本当ですか…?