意気軒昂な鈴木宗男氏=東京・永田町

写真拡大

 新党大地の鈴木宗男代表(68)の動向が、永田町で注目を集めている。安倍晋三首相と昨年末に電撃会談し、4月の衆院北海道5区補選での自民党候補支持を表明したからだ。長女で、民主党の鈴木貴子衆院議員(30)の自民党入りの可能性も取り沙汰されるなど、話題は尽きない。宗男氏が夕刊フジの単独インタビューに応じ、安倍首相との関係、野党再編、貴子氏の将来などを、一気に激白した。

 「来年4月に公民権停止が終われば、私は必ず今一度、国政にチャレンジする。とにかく国政に復帰する!」

 一部メディアが「北海道知事を狙っている」と報じたが、宗男氏は明確にこれを否定した。

 宗男氏は昨年12月28日、首相官邸を訪れ、安倍首相と約40分間、2人きりで会談した。まず、テーマとなったのは日露関係だという。

 「安倍首相は『鈴木先生、来年は日露をやります』と断言した。私のライフワークは日露外交と北方領土問題だ。齟齬(そご)はない。安倍首相に協力した方が国益のためになる」

 実際に先週、「安倍首相が5月上旬、ロシア南部ソチを訪問し、プーチン大統領と会談する意向を固めた」というニュースも飛び込んできた。

 安倍首相から北海道5区補選への協力要請もあり、宗男氏は快諾した。

 「私は昨年秋から、『共産党を加えた野党統一候補には乗れない』と言ってきた。安倍首相に約束した通り、年明けに新党大地として自民党候補支持を表明した」

 会談では、貴子氏のことも議題となった。宗男氏は受託収賄罪などで実刑が確定し、政界から遠ざかった。貴子氏は父の留守を預かる形となり、14年の衆院選で2回目の当選を果たした。

 「安倍首相から『貴子さんの評判いいですよ』と言われた。私も『それはありがたいです』と答えた」

 安倍首相は「自民党で貴子氏を育てたい」とも語ったという。政界では、貴子氏がいずれ自民党入りすると見られているが、現在は民主党所属で、細野豪志政調会長率いる派閥「自誓会」のメンバーだ。

 「(自民党入りの)報道が先行して、こっちも戸惑っている。正直、娘の心は読めない。だが、近いうちに2人でゆっくり話をしなければならない。本人が一番悩んでいるのではないかと心配しているが…」

 話が民主党に及ぶと、語気を強めた。

 「民主党はピント外れだ。昨年末までに維新の党と合流して新党をつくるべきだった。完全にタイミングを逸している。予算成立後に解散されたらどうするのか」「民主党は昔の社会党のような体質を見せている。揚げ足取りばかりしている。国民は辟易(へきえき)しているのではないか」

 岡田克也代表はどうか。

 「ダメだ。暗すぎる。明るさがない。戦略、戦術を持っているのか。趣味は『定期預金』みたいなイメージだ」 (山本雄史)