キャプチャ「クロ現」が来月で終了するという。10時台に「クロ現+」という番組をなぜか7人の女性アナウンサーでやるそうだが、今のクロ現とは違う番組になるだろう。この経緯については不審な点があり、川本裕司氏の記事がほぼ正確だと思うが、誤解もあるようだ。

まずNHKのドキュメンタリーの歴史の中で、毎日30分のドキュメンタリーを同じキャスターで23年も続けたのは空前だということだ。それだけ国谷さんに安定感があったのだろうが、普通は4~5年で交替するもので、あの磯村さんも3年しかやっていない。「日本の素顔」や「現代の映像」などのドキュメンタリーは週1本で、それでもネタに困っていた。

最近のクロ現は中身が薄くなり、「出家詐欺」のようなローカル番組の使い回しもやっていた。あれは誰がみても3分の企画ニュースがいいところで、それを25分もたせるのは、「やらせ」でもやらないと無理だ。もう起承転結の物語の時代ではない。時間帯を変えたりしないで、潔くやめるべきだった。

もう一つ誤解があるのは、あれは「国谷さんの番組」ではないということだ。番組はすべてディレクター(NHKではPDと呼ぶ)と記者が構成し、彼女のコメントは一言一句PDが書いてデスクがチェックする。彼女が番組の内容を決めることはほとんどなく、「キャスター」というよりアナウンサーに近い。

ただ、こういうトップダウンで番組が打ち切られるのは異例である。そこに安倍政権(というか菅官房長官)の意志が働いているという川本氏の推測はたぶん当たっていると思うが、それは露骨な圧力ではなく、籾井会長の「忖度」だろう。

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