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2016年02月16日 17時28分 UPDATE

Twitterのサービス改変に交錯する悲観と楽観

ユーザー数が伸び悩むTwitterはさまざまな取り組みを進めているが、これに対するユーザーや投資家の反応は歓迎と落胆が交錯している。(ロイター)

[サンフランシスコ 11日 ロイター]
REUTERS

 米Twitterのジャック・ドーシーCEOは2015年7月に同社CEOに復帰(当初は暫定的に)して以来、Twitterサービスにいくつか大幅な変更を施しており、今後もさまざまな改良に取り組む方針だという。

 だがこれまでのところ、各種の新機能はウォール街が待ち望んでいるただ1つの目標を達成できずにいる。それは、Twitterの利用者数を増やすという目標だ。

 現在Twitterの株価は過去最低の水準となっているが、ユーザー数の大幅な増加を示せないことには株価の上昇も見込めないというのがアナリストの大方の見方だ。

 「Twitterが株式を公開してからかなりの時間が経過している。ユーザーベースを拡大し、より多くのユーザーにアピールできるよう各種の問題点を修正するための時間は十分にあったはずだ」と調査会社Topeka Capital Marketsのアナリスト、ブレイク・ハーパー氏は指摘する。

 Twitterが2015年10〜12月期の決算を発表した2月10日、ドーシー氏は株主に宛てた書簡において、同社の今後の戦略について概略した。こうした説明が行われるのは初めてのことだったが、今後の製品計画についてはあまり詳細は語られず、結局、2013年に株式を公開して以来初めてユーザー数が前期比で横ばいとなったことの方が大きな印象を残した。

 ユーザー数の伸び悩みは、まさにTwitterを取り巻く残念な現実を反映していると言えそうだ。同社はサービスの仕様を変更するも、ユーザーの関心を再び呼び起こすことができずにいる。

 ドーシー氏は2015年10月、話題の出来事や最新ニュースに関する情報を入手しやすくする機能として「Moments」の提供を開始した。だがアナリストによれば、この機能はユーザーの支持を集めることはできなかったという。

 さらに同氏はTwitterの最大の特徴の1つにも変更を加え、140字の文字数制限を拡張することも試みている。

 またTwitterは10日、タイムラインの並び順の変更を発表した。新しいツイートが上にくる従来の逆時系列順ではなく、アルゴリズムによってユーザーの関心度が高いと判断されたツイートを優先的に表示するという機能を追加したのだ。

 ユーザーの中には、Twitterの動作を大幅に変更する同社の方針に否定的な反応を示す向きもおり、#RIPTwitter(Twitterよ安らかに眠れ)というハッシュタグを使って変更への反対を訴えるユーザーも多くいた

 今までのところ、広告主はユーザー数の伸び悩みに落胆しているが、最近の一連の変更についてとりあえず楽観視している向きもいる。

 「#riptwitterとはひどい誤解だ。これまでで最高のプラットフォーム変更ではないか」と企業の広告キャンペーンを手がけるVaynermediaのCEO、ゲイリー・ヴェイナチャック氏はツイートしている。

 ドーシー氏は株主に宛てた10日付けの書簡において、Twitterの利用者数を増やすことに注力する方針を明らかにしている。そのための戦略の一環として、サイトの使い勝手の改善に取り組む計画だという。Twitterが新規ユーザーの定着に苦戦している理由として、多くのアナリストはTwitterの機能の複雑さを挙げている。

 「確かに、変わったルールがいくつかある」とドーシー氏は認めている。

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