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【スクリーン雑記帖・予告編つき】
普天間移設問題を地元の若者はどう考えているのか 沖縄出身の慶大生監督が本音で放つ「人魚に会える日。」
基地問題が題材ということで世間の冷たさも経験した。協賛を依頼しようと県内企業を回ったが、「テーマ自体がリスクを負うと判断され、全て断られた」という。本作はクラウドファンディング(ネット経由で不特定の賛同者から資金を集めるシステム)を活用したり、学生ボランティアの協力を受けるなど、多くの人の思いが込められている。沖縄出身のシンガーソングライター、Cocco(こっこ)も手弁当で出演。仲村監督は「『マイレージを使うときが来た』と言って沖縄に帰ってきてくれました」とほほ笑んだ。
タイトルの「人魚」とは、辺野古周辺を生息域とするジュゴンのこと。中学生の時から興味を持っており、子供たちがジュゴンを探しに行く映画を作ろうとしたこともあった。作中には「ジュゴンは辺野古移設のマスコットになっている」というセリフがある。「琉球王朝のころから高級食材として捕獲されたり、沖縄戦に巻き込まれたりしてどんどん数が減少している。人間のせいで数が減ったのに『基地移設の犠牲になるので守りましょう』といきなり言われて、『ジュゴンもいい迷惑だろうな』と思いました」と苦笑した。