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 福山市の鞆(とも)の浦の埋め立て・架橋計画をめぐる控訴審の進行協議が14日、広島高裁(野々上友之裁判長)であった。高裁は、被告の県側が知事に出した埋め立て免許交付の申請を取り下げ、原告も訴えを取り下げる、双方同時の取り下げによる終結案を提案した。

 協議後に記者会見した原告や県によると、これまでの協議でも原告側は「同時取り下げ」による裁判終結を求めていた。県も取り下げる意向を示唆していたが、地元住民らとの話し合いの方向性などを理由に明言してこなかった。

 15回目となる14日の協議でも県はこれまでの姿勢を崩さなかったが、高裁は「同時取り下げ」を県に提案。県は次回協議までに申請を取り下げるかどうか答えることになったという。湯崎英彦知事は「裁判所の判断に従って対応するとともに関係者の方々に対し、責任を持って説明し理解をいただくよう全力をあげて取り組む」とのコメントを出した。