前回の記事の続きです。以下は記事からの引用です。
ビル・クリントン氏が大統領に選出された1992年、民主党は12年ぶりに共和党から政権を奪回した。当時、民主党内の多くは、犯罪を厳しく取り締まり、ビジネスに友好的となり、連邦予算に危機意識を持ち、納税者が支払った税金を大事にすることを有権者に示す決意を固めていた。ビル・クリントン氏は党内中道派の見解を代弁する広報本部長のような役割を担っていた。
ジョージ・W・ブッシュ氏が2000年の大統領選に勝利したことで、民主党左派の復活が勢いづいた。例えば、ブッシュ氏の税制計画は富裕層の大幅減税につながったほか、同氏は2002年にイラク侵攻について議会承認を勝ち得た。
どちらの政策も民主党議員の支持を得て通過したとあり、党内リベラル派の怒りがかき立てられた。リベラル派の民主党員らはブログを活用したほか、当時のバーモント州知事で、戦争と減税に反対していたハワード・ディーン氏を支持するなど、新たな怒りのはけ口を見つけ出したのだ。
民主党内の進歩主義の種は、オバマ氏が2008年に大統領に選出されたことで実を結んだかに見えたが、多くのリベラル派はすぐにいら立ちを募らせた。ヘルスケアの分野で、彼らはオバマ氏が新たな保険市場で民間保険会社に対抗するため、政府による運営という選択肢を確保できなかったことに不満を抱いた。また、オバマ氏が2011年に包括的な財政再建合意「グランド・バーゲン」を勝ち取るために社会保障給付の削減に応じる姿勢を示唆した時にも、リベラル派の多くは猛反発した。
サンダース氏は2011年、ラジオ番組でのインタビューで、翌12年の大統領選で左派候補がオバマ氏に挑戦する可能性を示したが、その背後にはこうした不満の声の高まりがあった。
保守派の民主党員が選挙で敗北あるいは引退し、共和党議員が南部を制するにつれ、民主党は一段とリベラル色を強めていった。この変動で民主党の支持基盤は北東部や西海岸、そして中西部の上部に位置する州に集中するようになり、同党はかつて重要な土台を形成していた労働者階級の白人有権者よりもリベラルな選挙区に依存するようになった。
オバマ政権時代には所得格差の拡大に対する怒りの声が高まったが、これは特にウォール街への財政援助で最も裕福な層の一部が救済される一方、雇用市場の低迷で多くの国民が生計に苦しんだことでひどくなった。
統計が有権者の怒りを証明している。米連邦準備制度理事会(FRB)によると、2013年には裕福な世帯の上位3%が、下位90%を合計した富の2倍以上を占めていた。内国歳入庁によると、納税額で上位400人が占める所得の割合は過去20年で2倍になった。富裕層の所得が増加する半面、他のすべてのグループでは停滞していたのだ。
サンダース氏の提案で最も高くつくのは、歳出額が年1兆4000億ドルほどに上る「国民皆保険」制度だ。サンダース氏はすべての国民が無理のない負担で健康保険に加入し、費用を管理するために必要とされるものだと述べている。同氏の計画では雇用と健康保険を切り離し、企業や個人は保険料を支払わなくて済むようになる。
サンダース氏は雇用主に新たに6.2%の給与税を課すほか、納税者全員に2.2%の所得税、高所得世帯に新税を課すことで財源を補うと述べている。同氏の計画では、連邦所得税の最高税率が1980年以降で初めて50%を超えることになる。
これまでで民主党の指名争いに参戦し、シングルペイヤー制度を提案した最後の人物は、1992年のジェリー・ブラウン元カリフォルニア州知事だった。ただ、この制度への支持が出たのは数十年前にさかのぼる。現在、民主党の下院議員60人以上がシングルペイヤー制度の立法化を支持している。
サンダース氏は年1万2000ドルほどで何とか生活しようとしている高齢者に言及し、退職後の社会保障給付金が少なすぎると述べた。同氏は高齢者向けの手当を増やすとし、雇用主と従業員が支払う6.2%の社会保障税(給与税)を25万ドル以上の所得に適用すると話した。給与税は現在、11万8500ドルが課税上限額となっている。
公立大学の授業料を免除するというサンダース氏の公約は、多くの学生が過重債務に直面し、高等教育に関する国家予算の削減が授業料を押し上げたタイミングで勢いを増した。全米で学生が抱える債務額は今や1兆3000億ドルに達しようとしている。景気後退が多くの米国人を学校に引き戻し、多くがほとんど希望を持てない中で返済という重い負担を抱えているのだ。
最近では、2012年にオバマ氏が大学生向けにより控えめな支援を提案した。同氏が大統領再選を目指す政治キャンペーンで若い有権者に訴えたのが、連邦政府の奨学金の利子を引き下げることだ。同氏は昨年、コミュニティーカレッジの授業料を無償にすることを提案したが、これは議会で葬られた。
リベラル派のグループはさらに大胆な計画を提案する。それは学生の家族に支払えるだけの金額を請求して4年制大学の学生の負債をなくすという案だ。クリントン氏はこの考えに賛同しているが、サンダース氏はさらに進んで公立大学の無償化を訴えている。サンダース氏は高校のように公立大学も無料にするべきだと述べている。
またまた長くなってしまったので、この記事に関する考察は次回にします。
追記:予約投稿のセット時間の午前と午後を間違えて、
一度アップした記事を戻して再アップという形になってしまい申し訳ありませんでした。
読んでくださって、ありがとうございました。
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