ソウルで小学5年の担任を務めるチェさん(32)=女性=は最近、ある父兄から「うちの子が最近家で『同じクラスの○○君のお母さんが逃げ出したって言ってたよ』と言うが、何のことか」という電話を受けた。チェさんがクラスの児童数人に確認したところ、カカオトークが原因だった。誰かがいたずらで友人に送ったカカオトークのメッセージがまるで事実であるかのように拡大し、結局このクラスの数人の児童が作ったカカオトークのチャットルームにまで波及したのだ。チェさんは「さらには『先生が言ってたんだけど』で始まる偽の情報までまき散らしており、子どもたちを呼んで叱るのにも勇気が要る」と話す。
小学生が流すSNS上の偽情報が社会問題になったケースも少なくない。2014年の旅客船セウォル号の沈没事故の直後には、ある小学生がセウォル号の生存者を装った救助を求めるメッセージを流布。警察の調査を受けている。当時京幾道の地方警察庁がセウォル号の沈没事故に関する虚偽の事実や誹謗(ひぼう)中傷文を掲載した最初の11人を摘発して調査したところ、小学生2人を含む7人が10代の青少年だった。
これについて教師らは「スマートフォンを持って登校する小学生たちが増えたことで生じた副作用の一つ」と説明する。情報通信政策研究院の調査によると、2011年には4.4%にすぎなかった小学校高学年(4-6年)のスマートフォン所持率は昨年59.3%に上昇した。小学校高学年の5人に3人はスマートフォンを使用しているわけだ。また、スマートフォンを使う4-6年生の79.3%がカカオトークなどのメッセンジャーを利用していることが分かった。