「25日のKOSPI(韓国総合株価指数)は前営業日に比べ14.0ポイント上昇の1893.43で取引を終えた」
厳密に言えば、この文章は文法が間違っている。「取引を終えた」という述語を使うなら「株式市場」を主語に据える必要がある。指数を意味する「KOSPI」が取引を終えるというのはおかしい。
最近、韓国のあるインターネットメディアが配信する株式関連記事を読んであら探しをするのに夢中になっている。このように少しでもおかしな部分を見つけると、ささやかな優越感を感じる。200年前、紡織機を初めて見た英国の織工たちもこんな気分だったのだろうか。先週から配信されているこの記事には、「ロボット・ジャーナリズム」というタグが付いている。人ではなくコンピューターが作成した記事だということだ。
25年前、警察署の記者室に泊り込んで初めて書いた署名記事は短かった。「延世大は28日、校内の野外劇場で93学年度学位授与式を行い、4558人に学位を授与した。…ソンウ・ジョン記者」
息子の名前が新聞に載る日を心待ちにしていた母から電話があった。「たったこれだけ書くために10日も家に帰らなかったの?」。笑い声が今も脳裏に残っている。数日後、もっともらしい大学文書を入手し、やけに大きい記事が載った。私の名前で出したものだが、実際には先輩が書いてくれた。訓練が足りず分析力がなかったためだ。私の当時の記事作成能力は、今記事を作成しているコンピューターのアルゴリズムレベルと同じようなものだったのではないだろうか。