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アンノン・ゲーム

自作小説とドラマ感想を。ときどき、ちょっと辛口に-

真田丸・第6話「迷走」感想

※あらすじ

 

信長亡きあとの安土の町は、明智の兵に占領された。

 

信繁(堺雅人)と矢沢三十郎頼幸(迫田孝也)は、

松(木村佳乃)とその他の人質を連れて脱出を試みる。

 

追ってくる手勢を相手に信繁たちは戦った。

 

妻を守るために茂誠(高木渉)が奮闘し、

忍びの佐助(藤井隆)も何処からか加勢にやってきた。

 

しかし、松は兵たちに崖に追い詰められ、

そのまま湖に飛び込んでしまった。

 

姉を救うことができなかった信繁は己を責め、

茂誠は松のために、この場所に残りたいという。

 

その頃、昌幸(草刈正雄)は今後の策について悩んでいた。

 

信幸(大泉洋)に意見を聞くと、

「織田家臣としての筋目を通すのが良いかと」と言われる。

 

そこで昌幸は、滝川一益段田安則)のいる厩橋城に行き、

明智を討伐することを進言した。

 

だが、滝川は昌幸のことを信用しておらず、

親族から人質を出せと要求する。

 

真田の郷に帰る途中の信繁は、

信濃方面から退却してきた森長可(谷田歩)の軍勢に出くわす。

 

そこで何者かに刃を突きつけられるのだが、

現れたのは、この一帯を束ねる忍びの出浦昌相(寺島進)で、

長可の道案内をしているのだった。

 

彼は信繁に「素破は目先の損得では動かぬ」と言った。

 

そんななか。

 

小県の国衆たちを呼んだ昌幸は、

滝川一益について戦うことを告げるのだが、

例によって、室賀正武(西村雅彦)が「北条につくべきだ」と反対する。

 

信幸に「滝川様との約束は」と問いただされるが、

会合の場を収めるために、仕方なくそう言ったのだという。

 

ところが、昌幸は北条氏政(高島政伸)のもとに、

弟の信尹(栗原英雄)を使いとして送っていたのだった-。

 

 

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前回に続き、本能寺のあとの混乱を描いています。

 

このドラマは真田家がメインなので、有名な「中国大返し」もなく、

秀吉(小日向文世)の登場もワンシーンだけでしたね。

 

なんとも潔い演出です。

 

そして、信繁たちとはぐれた松の数奇な運命のはじまりとなるんですが、

彼女は今後どうなってしまうのでしょうか。

 

史実では、かなり長生きした女性なので、

作中で亡くなるということはないと思いますが。

 

さて、最大勢力の織田にまさかの異変が起きて、

逡巡した昌幸は、滝川一益に協力すると言いました。

 

上杉につこうとしたものの、やんわりと断られ、

さしあたって、そうするしかないという決断だったんですね。

 

昌幸は、滝川と一緒に戦って明智を討とうと考えていたものの、

山崎の戦い」で秀吉が勝ち、またもや振り出しに戻ってしまうんです。

 

【わしが肩入れした者は、ことごとく運を逃す。

源三郎、教えてくれ・・・わしは、疫病神か】

 

この時の昌幸は先を読もうと必死になるあまり、

焦っていたんじゃないでしょうか。

 

でも、何をやっても、

運が味方しない時ってありますよね。

 

昌幸と対照的だったのは、忍びの出浦昌相です。

 

戦国時代は利害で人が動くのが常ですが、

彼の信条はそれとは全く異なるものでした。

 

『素破は、目先の損得では動かぬ。

いちど家臣と決めたからには、最後まで尽くすのが我らの流儀。

乱世なればこそ、我らの流儀に値打ちが出る。

素破は戦では死なぬ。

素破が死ぬ時は、信用を失った時-』

 

起こるはずのないことが起きるのが乱世ですし、

各地の大名や豪族は、敵の裏をかくために平気で嘘や方便を言います。

 

出浦は、そんな時代だからこそ、

人に信用されることの重要さをわかっていたんですね。

 

そして、悩みぬいた昌幸もようやく自身の結論を導き出しました。

 

【ようやく、分かった。

上杉も北条も徳川も、この信濃が欲しいのじゃ。


ここには、よき材木が採れる山々がある。

それを運ぶ川もある。よい馬もいる。街道が通り、人が集まる。

東と西を結ぶ要の土地じゃ。

 

だからこそ大名たちは、この信濃を押さえようとする。

 

この信濃がある限り、わしらは大名たちと対等に渡り合える。

この信濃を使って、やつらを操ってみせるのよ!


もう、やつらの顔色をうかがうのはごめんじゃ。

 

滝川が北条と戦ってる間、城は手薄になる。

これに乗じて、岩櫃と沼田の城を奪い返す!

 

沼田には、ばば様もおる。

人質も一緒に取り返すのじゃ!


いざ出陣じゃ!

 

息子たちよ。どんな手を使っても、

わしは真田をこの地を守り抜いてみせる。

大博打の始まりじゃ・・・!】

 

旧織田でも、上杉や北条でもなく、

真田は真田として、独自の道を行くという宣言ですね。

 

昌幸は、いままで大勢力の後ろ盾を得ようとしていたから、

見えるべきものが、見えなかったんだと思います。

 

前途多難な戦いの幕開けとなりましたが、

これから、ますます面白くなりそうで楽しみですよ。