井上翔太
2016年2月15日18時34分
■キャンプの素顔
「キャンプの素顔」と言いながら、今回はキャンプ地の話ではないことをご容赦ください。
潰瘍(かいよう)性大腸炎で入院していたオリックスの安達が10日に退院し、15日から神戸市西区の球団施設「青濤館(せいとうかん)」でトレーニングを再開した。約20メートルのキャッチボール、軽めの素振りなどで体をならした。「全く動いてなかったので、ちょっと動いただけでも疲れます」
体に異変を感じたのは、昨秋のキャンプごろから。トイレに行く回数が増えたが、「風邪みたいな感じだろう」というぐらいだった。今年に入って血便が出るようになり「病院に行った方がいい」と言われ発覚。1月22日から20日間の入院を余儀なくされた。
入院中は、主に五分がゆを食べ、点滴を打って栄養補給をした。スポーツ専門チャンネル「Jスポーツ」でオリックスのキャンプ中継を見て、駿太、宮崎、小田の3選手から寄せられたメッセージを確認。T―岡田からは、ファンのメッセージが入った寄せ書きが写真で届いた。「ツイッターでもファンの方からの声が多い。力になりますね」
腹痛や下痢などの症状を伴う潰瘍性大腸炎は、厚労省の特定疾患の難病だ。ストレスが一因と言われるが、明確な原因は分からず、完治する方法も特定されていない。重症か軽症かも、人によって違うほど幅が広く、安達は「中間ぐらい」という。現在、治療薬を服用しながら症状を抑えている状態だ。食事に気を使い、普通の生活が送れる寛解期を長くするほかない。
発症前からは8キロほど痩せた。今は体力の回復を優先させている。キャンプには合流せず、しばらくは青濤館で体を動かす。福良監督からは「焦らず、ゆっくりでいい」と言われているという。
「なるべく早く戻りたいけど、焦っても仕方ない」と安達。競技者として、これからどうやって潰瘍性大腸炎と向き合っていくか。周囲の理解や支えとともに見つめていきたい。(井上翔太)
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