美人婦人警官のコンビが主人公の、コメディー作品。バイクやミニパトなど、メカやエンジンのリアルな描写に評価が高い。作中に登場したモトコンポは、本作の影響で中古市場で高値になった
―24歳で連載を開始した『逮捕しちゃうぞ』ではバイクがたくさん出てきますが、初めて乗ったバイクは?
ホンダのMB50でした。その後はヤマハのRZ250。主人公の夏美が乗ってたバイクです。自分が乗っているバイクが一番描きやすいので。特にオートバイやクルマは機能パーツの集まりなので、細かい部分がよくわからないとイヤなんですよ。その後は、スズキのGSX-R1100。『逮捕しちゃうぞ』の印税が出たときに、現金で買いました。
実は限定解除の試験(※現在は大型二輪免許)を受けた時、免停中だったんです。免停中にオートバイに乗れるのは限定解除の試験だ、と思って2ヶ月くらい教習場に通いました。でも、免停があけないと試験が受けられない(笑)。で、免許を取ったタイミングで、印税が出たんです。
―『逮捕しちゃうぞ』でモトコンポが登場しますが、なぜホンダ・シティではなく、トゥデイに載せたんでしょうか?
シティはミニパトじゃないんで。ちゃんとミニパトでやりたかったんです。厳密にいうと2cmくらい入らないんですけど、そこは漫画ってことで。モトコンポも乗ってみると、「あーダメだ」って思いますよ。40kmしか出ないけど、猛烈におっかないんですよ。クルマにバンバン抜かれるんで、怖いんです。
ただ、クルマにオートバイを積もうと思って、商品化しちゃった当時のホンダは凄い。よくそんなバカなことを思いついて実行したな、と。その姿勢は大好きですね。
―『ああっ女神さまっ』に登場したクラウザー・ドマニは、この漫画でその存在を知ったという読者も多かったようですね。
まず見た目がおかしい(笑)。後ろから見ると凄く変なんですよね。雑誌かなんかで知って、高円寺まで見に行って、その場で購入しました。今も持っていますよ。実は、サイドカーに乗った人ならわかるけど、すごく乗りやすいんです。普通のサイドカーは常に反対側にカウンター入力をかけなきゃ運転できないんですけど、あれはそもそもサイドカーとして作られているので、非常にバランスがいいんです。
―そういえば、主人公はBMWのサイドカーに乗ってましたね。
あれは、女神様をどこかに連れて行くとき、サイドカーだったら正面から2人の顔が見えるという理由でサイドカーにしたんです。「爺ちゃんが譲ってくれた」という設定で。ただ、実際に乗ってみるとBMWは改造することを一切許さないというか、何か手を加えると、必ず問題が起こるんです。昔のは色々出来たんですが現代のBMWはウィンカー変えただけでも調子がおかしくなっちゃう。
―漫画家として、女の子と乗り物を描いているとき、どっちが楽しいですか?
どっちもどっちかな。柔らかいのと硬いの、みたいな。そのコントラストでバランスを取るのがいいんだと思います。
エンジンも潔くむき出し。「納車されたときはレーサー仕様のままだったので、スターター用のプラグをつけてエンジンが温まったら、エンジンを一回止めて、走る用のプラグに変えないと走れなかったんです。今はプラグを変えたけど、2分に1回くらいフカさないとカブっちゃう」とのこと
フロントとリアのフェンダーは後付け。塗装もやり直されている
目をキラキラさせてクルマを語る藤島先生。生粋の「クルマ好き」らしさが印象的でした