籏智広太
2016年2月15日15時58分
国の誤ったハンセン病の隔離政策によって差別や偏見などの被害を受けたとして、元患者の子どもら家族59人が15日、国に謝罪や損害賠償を求め、国家賠償法に基づく集団訴訟を熊本地裁に起こした。家族による集団訴訟は初めて。2001年に同地裁が出した違憲判決が確定後、国は元患者に謝罪し補償を続けているが家族の被害に対しては補償などをしていなかった。
提訴したのは九州・沖縄や関西、東京、東北などの37~91歳。平均年齢は68歳で、元患者を親に持つ子どもが多いという。国の隔離政策によって肉親を強制的に療養所に収容されて一家が離散したり、婚約が破談になるなどの差別や偏見を受けたりしたとして、1人当たり500万円の損害賠償と名誉回復のために新聞紙上に謝罪広告を掲載するよう求めている。
3月下旬に第2陣の提訴を予定し、原告は最終的に150人を超える見込みだという。国の隔離政策の根拠となっていた「らい予防法」が1996年に廃止され、損害賠償を請求できる20年の「除斥期間」が3月末で終わるため、弁護団が全国に原告を募っている。(籏智広太)
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朝日新聞社会部
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