渡辺一がG1初制覇 全日本選抜 【久留米】
久留米競輪のG1「第31回全日本選抜」(優勝賞金2990万円)は14日、最終11Rで決勝戦があり、渡辺一成(福島)が、新田祐大(福島)の仕掛けに乗って抜け出し悲願のG1初制覇を達成。一番乗りで年末のグランプリ出場切符を手にした。2着は渡辺を追走した佐藤慎太郎(福島)、3着は新田で福島トリオが表彰台を独占した。4日間の車券売上額は97億5211万6600円だった(目標額は105億円)。
■ヒーロー
オリンピックイヤーの2016年最初のG1を制したのは世界を舞台に戦っている渡辺一成(32)=福島=だった。
山崎芳仁、新田祐大ら一大勢力を誇る福島勢。次々とタイトルホルダーが出る中でG1優出はあるが、タイトルには手が届かずにいた。「今まで表彰台にも上がれず本当に悔しい思いをしてきた。自分は取れないのかなと思っていたが、順番がくるのを待つのではなく、自分から取りに行かないとダメだということに気付いた」と、今年に入ってからG1優勝に目標を設定。準決後に新田が「自分たちが一番強い。北日本の中から優勝者が出るので楽しみにしておいてください」と宣言すると、その言葉通り北日本の結束力を見せつけて新田をマークした渡辺が悲願のG1初制覇を果たした。「この結果は北日本のみんなのおかげ。前を任せた新田君は必ず力を出し切ってくれると信じていたし、頼もしかった。応援してくれたファンや、ずっと支えてくれた妻のおかげもあってようやくつかむことができた」と、喜びを爆発させた。
ナショナルチームに入って12年目。競技ではこれまで数々の世界選やW杯、オリンピックにも出場してきたが、本業の競輪では12年4月のG2共同通信社杯(名古屋)での優勝のみだった。欲しかったG1タイトルにようやく手が届いたこれからは、今まで以上の注目を浴びることになる。「タイトルホルダーとして責任あるレースを心掛けていきたい。そして北日本勢がもっと活躍できるように、みんなで頑張っていく」
昨年の山崎に続いてまたしても福島勢が最初のGP出場権を獲得。さらに勢いが増した北日本勢が今年の競輪をけん引していく。 (森田)
◆渡辺 一成(わたなべ・かずなり)1983年8月12日生まれ、32歳・88期。福島県双葉町出身。競輪学校では12勝で在校成績は38位。2003年7月に京王閣競輪場でデビュー。05年、06年W杯、チームスプリントで銅メダル。09年W杯チームスプリントで銀メダルを獲得。通算成績は740戦211勝。2着128回、3着81回。通算獲得賞金は3億7089万9900円。身長176センチ、体重80キロ、血液型A型
■決勝戦VTR
号砲と同時に新田が飛び出し、北日本勢が前受け。新田-渡辺-佐藤-菊地、脇本-稲垣-村上、岩津、近藤で周回。
残り2周で脇本が飛び出し、突っ張るそぶりを見せた新田を抑え込む。近畿トリオに岩津と近藤が続き、新田は6番手まで車を下げる。
打鐘でペースが落ち着いたが、打鐘過ぎの2Cで新田が猛然とスパート。脇本もペースを上げて抵抗したが、新田をブロックした稲垣が1Cで落車。これに村上、岩津が乗り上げた。
BS手前で新田が先頭に立ち、3角過ぎに踏み込んだ渡辺-佐藤が抜け出した。
■戦い終わって
佐藤慎太郎(2着)(渡辺)一成君をかわせば優勝だったが、付いていくのでいっぱい。新田君と一成君に力の違いを見せつけられた。新田君はいい競走をしてくれた。強い、速いだけではなく、信頼される選手になってくれたと思う。
新田祐大(3着)突っ張って逃げるつもりだったが、脇本君がそうさせてくれなかった。立て直していいタイミングで仕掛けられたが、脇本君の先行に対する気迫がすごくて、先頭に出るまでに時間がかかってしまった。ただ、ラインで上位独占できたのは素直にうれしい。
近藤隆司(4着)緊張感なく臨めたが、ペースが上がったときに、一瞬にして踏み遅れた。レベルの違いを感じたし、もっとパワーアップしないと。
菊地圭尚(5着)新田君の仕掛けに口が空いてしまい、そのまま離れてしまった。しっかりと付いていかないと話にならないですね。
脇本雄太(6着)新田さんと踏み合いになったら分が悪いし、早めからでも主導権を取ろうと考えていた。打鐘までは自分の描いていた展開になったが、こういう結果(後ろの稲垣と村上が落車)になってしまい残念。また頑張る。
=2016/02/15付 西日本スポーツ=