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取材能力の欠如?恣意的編集? TBS「報道特集」が事実に反する報道

昨日13日のTBS「報道特集」。 北朝鮮のミサイル攻撃を防ぐために敵基地攻撃が可能かというリポート。

取材能力の欠如なのか、恣意的な編集なのかは分かりませんが、事実に反する内容を伝えるというリポートでした。

冒頭から中盤は事実に沿った内容で、戦闘機による敵基地攻撃は航続距離の関係から、現在自衛隊が保有する戦闘機では不可能というもので、それであれば確実に敵基地を叩けるものは何かということで、トマホークのような巡航ミサイルを紹介しました。
巡航ミサイルはイラク戦争でのピンポイント攻撃で威力を発揮し、北朝鮮の金正日も恐れたというもの。
しかし、巡航ミサイルを憲法上保有できるかについて、私が平和安保特別委員会で行った質問を用いたまでは良かったのですが、それに対する中谷防衛大臣の答弁を編集し、巡航ミサイルは憲法違反で保有できないとの文脈にしてしまいました。

この時の質疑(平成27年7月29日)では、私の「抑止の観点から相手国への反撃能力として巡航ミサイルを配備することについて、政府はどのように考えるんでしょうか。」という質問に対し、 中谷大臣は、 「潜水艦にトマホークのようなという御質問がございましたが、我が国は、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵、これは一般的に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと解しております。 このような従来からの考え方、これ、新三要件の下でも集団的自衛権を行使する場合であっても全く変わらず、新三要件から論理必然的に導かれるものでありまして、敵基地攻撃についての従来からの考え方、これにつきましても、るる御説明をいたしているとおり、装備体系を保有しておらず、また集団的自衛権の行使として敵基地を攻撃することはそもそも想定していないということでございます。」 と答弁しています。

読んでも難解だと思いますが、それはすなわち答弁の中に、私の質問に対する答弁とは違う答弁を入れ込んでしまっており、その部分とは「我が国は、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵、これは一般的に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと解しております。」という部分です。

自衛のための敵基地攻撃は、憲法上可能との政府見解は一貫しており、そのためにトマホークを持つことも否定されていないのですが、中谷大臣は何を思われたか、「海外派兵は~」という関係ない答弁を入れ込んでしまいました。(おそらく他の議員への答弁を間違えて読んでしまったのだと)

これに対し、TBS「報道特集」は、中谷大臣の「憲法上許されないと解しております」を切り出して、トマホークなどの巡航ミサイルを日本が持つことは憲法違反であるという編集にしてしまいました。

この質疑だけ見れば、そうしたように捉えてしまうかもしれませんが、自衛のための敵基地攻撃は憲法上可能との政府見解は、この分野を取材する記者やディレクターからすると常識です。

それは、この答弁がわけがわからない答弁であったので、その後8月19日の平和安保特で改めて問うているのですが、その質疑からも明らかです。

私は、「相手国の基地から我が国に向けミサイル発射が行われようとしているときに、我が国が巡航ミサイルで敵基地を攻撃することは法理上可能でしょうか、憲法上可能でしょうか。」と聞きました。

これに対し中谷大臣は、「敵基地攻撃についての従来からの考え方は、法理上、つまり法的な理屈の上では新三要件の下でも変わりがなくて、誘導弾等による攻撃を防ぐ他の手段がないと認められる限り、敵基地をたたくことは自衛の範囲に含まれて可能でありますが、ただし、我が国は敵基地攻撃を目的とした装備体系を有しておらず、また個別的自衛権の行使としても敵基地を攻撃することは想定をしておりません。御指摘のような能力の保持につきましては、極めて慎重な検討が必要であると考えております。」と答弁しています。

すなわち政府は一貫して、「自衛のための敵基地攻撃は憲法上可能であるが、日本はその能力や装備を現在は有していない」との見解なのです。

もし、TBS「報道特集」のこのリポートを作った人物がこのことを知らなかったとしたら、明らかな取材能力の欠如、もし知っていたとしたら恣意的な編集をしたことになります。 いずれにせよ結果として事実と反する内容を伝えています。

その後、VTRリポートからスタジオに戻り、スタジオではキャスターやコメンテーターが「敵基地攻撃は机上の空論」「敵基地攻撃をするにも周辺国が黙っていない。他国の領海や領空を通るから」と発言し、私からすると本当にあなたたちは正しい事実を把握しているのか、国防を語る能力があるのかと疑問に感じる内容でした。

抑止力とは、確実な反撃能力です。確実に反撃されるとわかれば、相手国は攻撃を仕掛けにくくなります。 トマホークなどの巡航ミサイルは1発約1億円。潜水艦搭載型を100発保有するだけで十分な抑止力になります。
防衛費の増加を批判するのなら、より実効性が高く費用も少なくて済む方法を考えることができないのでしょうか。

私は国民の命を守るために、巡航ミサイルの配備は必要であり効果が高いと考えています。 このことを繰り返し訴え続け、日本の国防力の向上につなげてていきたいと思います。

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