料理の材料や調理法を書いた料理研究家らのレシピが、インターネット上のブログなどに無断で転載されるケースが増えている。料理教室などで教えたレシピが不特定多数に公開されることに、料理研究家らの間では困惑が広がる。レシピは著作権保護の対象にならないケースが多いものの、「許可なく転載するモラルの無さが問題」との指摘も出ている。
「悪気はないのでしょうが…」。函館の40代の料理講師は以前、自身の教室で教えたレシピの詳細を生徒のブログに無断で転載されたことがある。「お金をもらって教えているレシピを誰でも見られるようにされると、他の生徒にも申し訳ない」と、すぐに削除してもらった。
ネット上に自分のレシピが公開されたことがある函館の料理研究家、後藤るみ子さん(43)は以後、料理教室の生徒に「ネットに掲載しないで」と要請。レシピを書いた紙にも「無断転載不可」と記すなどの防御策を講じている。
知的財産に詳しい安藤誠悟弁護士(札幌)は「材料や分量、作り方を定型的な表現で記したレシピは、著作権で保護する著作物とはみなされない」と話す。
著作権法では、著作物を「思想・感情を創作的に表現したもの」と定義する。料理のアイデア自体には適用されず、文章で表現したとしても「○分煮る」「焦がさないよう焼く」などの一般的な説明文は、創作性が認められないという。
ブログだけではなく、最近は一般の人がレシピを投稿するサイトも多い。札幌の40代の料理研究家は「自分のものとそっくりなレシピが載っていることもあるが、材料が一つでも違うと別のレシピになるので、何も言えない」と話す。
「『載せていいか』と聞いてもらえれば、互いに嫌な思いをしなくて済むのに」。札幌の料理アドバイザー(36)は現状を受け入れながらも、ネット社会のモラルの問題に目を向ける。
安易な転載がトラブルに発展することもある。年間30万品以上のレシピが投稿される料理検索サイトを運営する「クックパッド」(東京)には約10年前、某有名菓子店の菓子と酷似したレシピが掲載されたとして、サイト利用者らから指摘や批判が殺到した。クックパッドはその後、投稿者向けガイドラインに「既に発表されているレシピをそのまま紹介したい時は、必ずその本人に掲載の許可をもらう」と明記した。
一方、料理本などの編集物の内容や、レシピに添えられた料理の写真は、無断で転載すると著作権侵害になる可能性が大きい。安藤弁護士は「ネット上の画像は簡単にコピーできるので、意図せず法律を犯してしまいがちだ」と注意を呼び掛けている。(生活部 石丸厚子)
北海道新聞
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