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潜水調査を実施へ 広島・呉

洋上に浮かぶ戦艦大和=1941年10月20日撮影

 広島県呉市は12日、同市で建造された旧日本海軍の戦艦「大和」が米軍に撃沈された鹿児島県沖で、今春にも潜水調査を実施すると発表した。無人探査機で現地海域を調べ、撮影した映像や画像の編集やデータ分析をし、結果は同市海事歴史科学館(大和ミュージアム)で2017年度に公開する予定。大和の潜水調査は過去2回実施されたが、行政機関による調査は初めて。

     大和ミュージアムによると、1985年に民間グループが、99年に民間放送局が大和の潜水調査を実施。艦首にある菊の紋章を撮影し、軍靴やラッパなど計100点の遺品が引き揚げられた。

     今回の調査は民間調査会社に委託し、高性能カメラを搭載した無人探査機を使う。大和が沈む水深約350メートルは光が届かず全景は撮影できないが、レーザー光線を使って詳細な大きさや厚みを測定し、映像をつないで可能な限り正確な全体像を把握する。遺品や船体部品などの引き揚げはしない。関連経費8000万円を今年度補正予算に計上する。

     大和ミュージアムの戸高一成館長(67)は「これまでの調査は大和の発見が目的だった。今回の調査で大和が受けた攻撃や沈み方など、より真実に近づくことを期待している」と話している。

     大和は呉にあった旧海軍工廠(こうしょう)で建造され、41年12月に就役した世界最大の戦艦(当時)。太平洋戦争末期の45年4月、沖縄に向かう水上特攻作戦に出撃、鹿児島県・坊ノ岬沖で米軍機の猛攻を受けて沈没し、乗組員3332人のうち9割以上が犠牲になった。【石川裕士】

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