今の波乱は1年前に予想、シリング氏は米10年債利回り1%予測を堅持
2016/02/15 08:05 JST
(ブルームバーグ):米株式相場が過去最高値をうかがい、連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を引き上げる準備を整えようとしていた1年前、ウォール街の中でゲーリー・シリング氏だけが今の金融市場の波乱を予想していた。
原油が1バレル当たり20ドルに下げ、10年物の米国債利回りが1%に低下するとのシリング氏(78)の予想は、今では実現の可能性がますます高くなっており、同氏はこの予想を変えるつもりはない。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は同氏が20ドル予想を打ち出した昨年2月以降、約50%下げて27.62ドル近辺にある。米国債利回りは6月に2.5%まで上昇した後、1.68%に水準を下げた。
メリルリンチ・ピアース・フェナー&スミス初のチーフエコノミストに就任して以来、約50年間にわたって米経済のブームとバストのサイクルを見守ってきたシリング氏。今回の局面では歴史という教科書は役にたたないと話す。
調査会社A.ゲーリー・シリング(ニュージャージー州スプリングフィールド)を創立したシリング社長は、「一定のパターンや単純明快な答えを求める人が大半だ。規則正しいサイクルに当てはまる回答が求められているが、今の状況はそれからはほど遠い」と述べた。
同氏の米国債強気論は世界から押し寄せる底なしの需要と、中国の消費者主導型経済への移行に伴う不安、欧州と日本のマイナス金利の影響を根拠としている。世界で最も安全な資産クラスに分類されながらも、先進国の中でも最高の利回りを投資家に提供する米国債に、世界の投資資金が向かうというシナリオだ。
年初以降の金融市場はこのシナリオ通りとなっている。10年債利回りは昨年末の水準から59ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)も低下。商品相場は急落し、世界の株価は弱気相場に入った。
原油価格が20ドルだったのは2002年が最後。シリング氏が予想する10年債利回り水準は、現実の過去最低を大きく下回る。同氏は今年、連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を引き下げると予想している。
イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は議会証言で、金融市場のボラティリティが最近大きく上昇したことで、利上げ軌道に影響が及ぶ可能性があると述べた。
シリング氏は「グローバルな問題が米国に大きく影響していることへの認識が示された」と指摘。「詩人のジョン・ダンは、何人も孤島ではないと言ったが、どの国も孤島ではないということだ」と語った。
原題:Five-Decade Market Pro Who Called Bond Rally Sees 1% U.S. Yields(抜粋)
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更新日時: 2016/02/15 08:05 JST