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副首都推進は都構想再挑戦への理屈付け

副首都推進本部の初会合で発言する松井一郎・大阪府知事(左)。右は吉村洋文・大阪市長=大阪市中央区で2015年12月28日午後2時36分、山崎一輝撮影

 大阪の副首都化を目指す府と大阪市の協議組織「副首都推進本部」の初会合が28日、市内で開かれた。

     松井一郎知事(おおさか維新の会代表)が「副首都」を打ち出したのは、看板政策の「大阪都構想」を目指す大義に据えるためだ。5月の住民投票で否決された都構想の再挑戦に向け、新たな理屈付けが必要になっていた。ただ、副首都や首都機能移転に国や東京都は反発してきた歴史があり、今回も難航は必至だ。

     「ダブル選の公約を考える時、初めて副首都というキーワードが出てきた」。松井氏は28日、都構想を「目的」ではなく「手段」と位置づけるために副首都化を考え出したと記者団に明かした。

     副首都推進本部は、二重行政解消策などを練った「府市統合本部」(6月に廃止)の後継組織だ。当初は名称を引き継ぐ予定だったが、地域政党・大阪維新の会内部から「前回と違う都構想にするには、副首都の性格を入れるべきだ」との意見が浮上し、盛り込まれた経緯がある。

     そのため副首都の具体像は示されておらず、推進本部に委ねられている。松井府政は、特許庁と中小企業庁の誘致を掲げるが、府幹部は「企業の2本社制のように、主要省庁や経済機能の一部移転も目指したい」と指摘。幅広い分野で検討する構えだ。

     首都機能移転はかつて国会でも本格議論され、1992年には議員立法で「国会等移転法」が成立した。東京一極集中是正のため、国会や行政の中枢機能移転を国に促す内容だった。99年には同法に基づいて、栃木・福島▽岐阜・愛知▽三重・畿央−−3候補地が浮かんだが、東京選出の国会議員らが反発。候補地の絞り込みさえできず、議論は立ち消えになった。

     現在も、安倍政権の掲げる「地方創生」で中央省庁移転が検討されるが、霞が関は消極姿勢を崩していない。おおさか維新は、副首都の定義を盛り込んだ「副首都建設整備法案(仮称)」を来年の通常国会に提出する方向だが、永田町の動向は不透明なままだ。【小山由宇】

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