■シェア首位の韓国企業も
韓国の消費財企業もベトナムで成果を上げている。ロッテリアはベトナム国内に208店舗を展開し、フランチャイズのハンバーガー店ではシェア首位(48%)だ。製パン業界のトップシェアは、ホーチミンを中心に31店舗を展開するCJグループのトレジュールだ。
一方、CJ E&Mは昨年、「きょうも青春」と題する現地ドラマ(全36回)を制作し、全国で5ー6%の視聴率を上げた。年末のテレビ番組賞で同番組は作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞を総なめした。量販店ロッテマートはベトナムに11店舗を展開し、イーマートは最近ホーチミンに1号店を出店した。
■現地化に拍車
ベトナムで好調な韓国企業の共通点は徹底した現地化だ。ロッテリアはマクドナルドやケンタッキーフライドチキン(KFC)とは異なり、現地人の好みに合わせたライスとフライドチキンのセットを発売し、大人気となった。ロッテマートは従来型の市場に慣れた主婦の習慣に合わせ、魚や肉を直接触って選べるように配慮した。CJ E&Mは韓国で人気を集めた映画「怪しい彼女」をベトナム版にリメイクし、「わたしがお前のばあさんだ」を製作し、歴代興行成績2位の大ヒットを記録している。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)ハノイ貿易館のイ・ギュソン館長は「韓流が人気を集めたのも、ベトナム人が家族を重視する韓国的価値観を好むからだ。米国、フランス、中国との戦争を経験したベトナム人が韓国に愛着を持つことも韓国企業にとって有利だ」と指摘した。
ベトナム内需市場で韓国企業が確実に根を下ろすためにはさらに徹底した現地化と細かい市場調査が求められる。西江大国際大学院の許允(ホ・ユン)院長は「ベトナム人の所得水準と消費性向に合わせた製品とマーケティングが必要だ。特にベトナム政府の急な政策変更や新たな規制で慌てないためには、信頼できる現地企業との合弁が望ましい」とアドバイスした。