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宿泊税導入へ 100円程度、17年に

 大阪府の松井一郎知事は、ホテルや旅館の宿泊客に100円程度を独自に課税する宿泊税を2017年に導入する方針を固めた。来年2月議会に関係条例案を提出する。急増する外国人観光客向けに、多言語対応や観光案内所を強化する「おもてなし」策の向上が狙い。実現すれば東京都に次ぎ全国2例目になる。

     府関係者によると、自治体が特定目的で独自に課税する「法定外目的税」と位置付け、使途は観光振興に限る。冬季に御堂筋をライトアップする「御堂筋イルミネーション」に充てることも検討している。

     府は10億円程度の税収を想定し、具体的な税額は来年2月までに決める方針。条例可決後に総務相との協議などを経て、早ければ17年1月から実施する。

     02年に導入した東京都では宿泊料が1泊1万円以上の場合、100〜200円を上乗せする形で宿泊施設を通じて徴収しており、14年度の税収は約16億円。ハワイやニューヨーク、パリなどでも導入例がある。府が想定する税額は東京都並みになりそう。

     宿泊税を巡っては、観光振興のあり方を議論してきた府の調査検討会議(会長、福島伸一・大阪観光局会長)が9月、中間報告で導入を提言。報告書では「多言語の標識や観光案内所が少ない」などの指摘があり、京都など他府県の例から、施策を充実させるには最大16億円の財源が必要と試算した。大阪市では昨年、市が財源不足を理由に天王寺や新大阪にあった公設の観光案内所を閉鎖している。

     一方、ホテルや旅館業界からは「宿泊料が高くなり、競争力が低下する。外国人観光客らの『爆買い』で潤う量販店で課税すべきだ」と反発の声も上がる。府は「量販店では観光客と一般客の区別は困難で、宿泊税の方が課税対象の把握が容易」として、導入に理解を求めていく考えだ。【熊谷豪】

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