3DのCGに着色 中垣さんに科学技術賞
【ロサンゼルス長野宏美】米アカデミー賞の科学技術賞の授賞式が13日、カリフォルニア州ビバリーヒルズで行われ、日本からは三重県桑名市のエンジニア、中垣清介(きよゆき)さん(35)が受賞した。アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは毎年、優れた映画作品や俳優などを選ぶ主要部門の授賞式に先駆け、映画の技術開発面に貢献した個人や団体を表彰している。昨年はソニーの社員らが選ばれた。
中垣さんは英国のソフトウエア会社「ファウンドリ」に在籍。立体的な3D画像のコンピューターグラフィックス(CG)に色を付けるソフトウエア「MARI」を開発し、同僚3人とともに受賞した。大量のデータを高解析度で扱うことが可能になり、製作現場で幅広く使われていることが評価された。簡単に大量の画像処理ができるため、微妙な色の違いや質感を表現できるという。映画「アバター」や「ジュラシック・ワールド」など、数多くのCG作品で利用されている。
中垣さんはニュージーランドの大学でコンピューター科学を学び、現地の映像効果会社を経て、英国の会社に移籍。現在は三重を拠点に「MARI」の改善に取り組んでいる。「受賞は光栄で、得意なプログラミングを生かして世界中の人が楽しめる映画作りに貢献できてうれしい」と喜んだ。