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 大阪市の目抜き通りを彩る「御堂筋イルミネーション」に、大阪府庁が苦悩している。橋下徹大阪市長が大阪府に追加負担を要求。盟友の松井一郎知事は、「宿泊税」を使えないか検討を指示したためだ。

 御堂筋イルミでは、大阪市中心部を南北に貫くイチョウ並木が毎冬、LED電球で輝く。今年度は約1キロ延伸し、梅田から難波までの約4キロとなる。延伸分には、国の地方創生交付金を充てる。運営費は府と市の間で負担する区間と割合が決まっており、合計で約3億4千万円が投じられる。

 府の負担区間の持ち出しは、一般からの寄付を積み立てた基金からの支出と同額とするのがルール。御堂筋イルミは2008年に府知事になった橋下氏が打ち出したが、人件費や補助金を大幅カットする中で強い反発があり、自らルールを決めた。だが、今年7月、橋下氏は府と市、経済界のトップが集う会議で突然、来年度以降のルール変更を提案した。

 御堂筋イルミを含む冬のイルミネーションイベント「大阪・光の饗宴(きょうえん)」を「絶対、継続していかなきゃいけない」とした上で、光の饗宴全体に、府の財政負担を広げるよう求めたのだ。

 光の饗宴は、市が主導する「OSAKA光のルネサンス」に加え、「グランフロント大阪」「なんばパークス」などで民間が行う独自事業も幅広く含む。すべての費用を府と市、民間で分け合うと「府の持ち出しは今年度の2倍ほどになる」(府の担当者)。府幹部も「橋下氏が『御堂筋イルミは集まった寄付に見合った規模でやろう』と始めた事業だったのに」と困惑する。