先月27日夕、ベトナム南部ホーチミンで富裕層が多く住む7区では、韓国系ファストフード店「ロッテリア」に空席がなかった。来店客はライスとフライドチキンが盛りつけられた価格3万2000ドン(約170円)のセットメニューを食べていた。現地法人のキム・ドンジン社長は「ベトナムのロッテリアは年平均成長率が40%を超える。市内中心部の店舗は食事時間でなくても常に混雑している」と話した。
ベトナムは今、韓国の流通、消費、エンターテインメント企業にとって、チャンスに満ちあふれている。消費者1人当たりの年間所得が現在の2000ドル水準から毎年上昇している上、ベトナムの親韓ムードをうまく生かせば、ベトナムは韓国企業の「第2の内需市場」になるとの指摘も聞かれる。
■消費の主役は30歳以下の若者
昨年のベトナムの経済成長率は6.68%で、政府の当初目標(6.2%)を上回り、過去8年で最高を記録した。隣国中国にも匹敵する成長ぶりだ。家計消費も前年比10.5%増の1370億ドルに増えた。
ベトナムの消費の伸びが経済成長率を上回っているのは、若い人口構成が理由だ。総人口9300万人のうち、30歳以下の人口が55%を占める。世界銀行関係者は、2015年から30年までにベトナムの生産年齢人口のうち、30歳以下が6.5%増えるとの試算を示した。同じ期間に中国では30歳以下が3%減少すると見込まれている。
若い市場を狙い、全世界の内需関連企業がベトナムに進出している。昨年12月にタイのビール大手シンハ・コーポレーションは、ベトナムの日用消費財販売業者、マサン・コンシューマーの株式25%を11億ドルで取得するとともに、傘下ののマサン・ブリュワリーに33.3%出資すると発表した。日本の全日本空輸(ANA)は先月、ベトナム航空に約130億円を出資し、株式8.8%を取得すると発表した。