大阪市による入れ墨の調査を拒んで懲戒処分を受けたとして、市職員2人が処分の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決が15日、大阪高裁であった。山田知司裁判長は「調査は適法」と判断、市に処分の取り消しを命じた一審・大阪地裁判決を見直し、2人の請求を棄却した。2人は上告する方針。
訴えていたのは市交通局職員の安田匡さん(57)と市民病院看護師の森厚子さん(59)。市が2012年に実施した入れ墨調査を拒否したため、いずれも職務命令違反で戒告の懲戒処分を受けていた。
判決理由で山田裁判長は、調査は入れ墨をしている市職員への批判が高まったことを受けての対応で「目的は正当で必要性も認められる」と指摘。「市の条例が禁じた社会的差別の原因となる個人情報の収集にも該当しない」とした。その後の懲戒処分も「回答拒否で職場の組織秩序を乱したことは明らかで適法」と結論づけた。
入れ墨調査