女の敵は女? 社会問題の本質、隠すコトバ 女男 ギャップを斬る(水無田気流)
私は仕事に関してあまりえり好みはしないほうだが、ひとつだけ受けないものがある。それは、「女の敵は女」という図式の依頼だ。たとえば、昨年は所沢市で「第2子出産で認可保育園退園」問題が起こった。これは、第1子を認可園に通わせている親が第2子を出産し育児休業を取得した場合、第1子が0歳から2歳の場合は退園となる、との制度の導入により起こった問題である。同様の制度は他の自治体にもみられ、似た境遇の母親た
私は仕事に関してあまりえり好みはしないほうだが、ひとつだけ受けないものがある。それは、「女の敵は女」という図式の依頼だ。たとえば、昨年は所沢市で「第2子出産で認可保育園退園」問題が起こった。これは、第1子を認可園に通わせている親が第2子を出産し育児休業を取得した場合、第1子が0歳から2歳の場合は退園となる、との制度の導入により起こった問題である。同様の制度は他の自治体にもみられ、似た境遇の母親たちを中心に、ネット上でも議論が沸き上がった。
みなした・きりう 1970年生まれ。詩人。中原中也賞を受賞。「『居場所』のない男、『時間』がない女」(日本経済新聞出版社)を執筆し社会学者としても活躍。1児の母。
1950年代の「主婦論争」から、昨今の女性同士のマタハラまで、この国は「女の敵は女」言説であふれている。背景にあるのは社会構造や制度上の課題なのだが、これらを女性たちに巧妙に見えなくするための文化装置だろうか。だから女性のみなさん、どうか「真の敵」を見極めてくださるようお願いします。
次点で依頼されると困る仕事は、芸能人の年の差婚などが話題になると出てくる「今、おじさんが若い女性にモテるという事実を裏付けてください」といった類のもの。各種統計に鑑みれば、若年層の恋愛観は同世代・同類婚志向が高くなってきており、つまりおじさんはどんどん若い女性にモテなくなってきています、と説明するのだが、相手は諦めない。「では、多数派がモテなくても、モテるおじさんはここが違う! というコメントをいただけますか?」などと言われてしまう。もう本当に、勘弁してください……。
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