007経済地域経済科学・環境加盟社記事
シラスウナギ不漁 淡路島の住民、副収入ピンチ
04/18 【共同通信】

 ウナギの稚魚「シラスウナギ」の深刻な不漁が、兵庫・淡路島の「男たちの財布」を直撃している。島内では、地元住民なら誰でも兵庫県の採捕許可が得られるとあって、アフターファイブの小遣い稼ぎとして定着しているためだ。高値で取引される「白いダイヤ」をめぐる苦闘は、漁期が終わる4月末まで続く。(長尾亮太)

 シラスウナギ漁については、大阪府や徳島県は漁業協同組合に許可を与え、組合員以外の許可は各漁協が判断。香川県ではウナギ養殖業者にのみ許可する。

 兵庫県は職業に関係なく許可するが、淡路島内では居住する市内を流れる川に限られる。今年は三原川(南あわじ市)や洲本川(洲本市)で330人以上が許可され、県内の他地域の計約80人より多い。淡路島の買い取り業者の菊川商店(南あわじ市湊里)によると、漁業関係者はほとんどいないという。

 漁期は2〜4月。三原川河口付近には日没後、仕事を終えた男たちが続々と集まってくる。川面を電球で照らし、近寄ってくるシラスウナギを網ですくい取る。それを業者に持ち込む。

 今年は解禁直後から不漁が続き、「不振だった昨年の4分の1ほど」と菊川商店。兵庫県によると、2009年に約57キロあった捕獲量は10年に約12キロ、11年は約8キロに減ったという。同店の買い取り価格も、10年にはキロ当たり40万〜50万円だったが、今年は220万円と“うなぎ上り”だ。

 「こんなに捕れないのは初めて。夜の冷え込みが一層身にしみる」と話すのは、毎年漁に訪れる建築業の男性(27)。「シラスウナギの稼ぎは5人の子どもを養うためには欠かせない。こんな不漁では向こう1年は節約暮らしだ…」とため息をついた。

シラスウナギ ウナギの稚魚の別称。体長は5センチ前後で、細くて透明。冬から春にかけ黒潮に乗って東アジア沿岸を回遊する。国内では河川を上るものを捕獲し、養殖業者が成魚に育てる。都道府県が独自に漁の解禁期間を設け、許可対象を定める。水産庁によると全国の捕獲量は年10〜20トン前後で推移してきたが、2010年と11年は10トン前後で、これほどの不漁が続いたことは前例がないという。今年も不漁で、資源保護が課題となっている。

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