昨年12月末、京畿道加平郡にある人気の国立自然休養林。休養林とは、登山やキャンプ、森林浴が楽しめるよう解放されている国有地のことだ。ここを訪れた30代男性は、職員に「空きがこんなにあるのに、どうして予約ができないんだ」と詰め寄った。キャンプ場のテントを張れる場所に空きが4カ所あったからだ。この男性はキャンプ場の予約抽選で外れたのでキャンプは諦め、代わりに日帰りで休養林をトレッキングした帰り道だった。休養林の職員は「キャンプ場を予約した客の一部が連絡せずに来なかったため、ほかの客の予約を受けられなかった分だ」と説明したが、男性の怒りは収まらなかった。
「ノーショー(No-show=予約すっぽかし)」キャンプ客に頭を抱えている国立自然休養林では、今年からすっぽかし常習者の予約を制限することにした。15日から、全国39の国立自然休養林の客室・キャンプ場を予約しながら、連絡せずに予約を2回すっぽかした利用者に対し、休養林予約を90日間できないようにするものだ。複数のキャンプ場に重複予約し、直前に1カ所だけ選ぶ「ドタキャン」を防ぐため、一度に予約待ちできるキャンプ場の数も従来の最大9カ所から3カ所に限定することにした。国立自然休養林がすっぽかし客に「利用制限」という不利益を課すことにしたのは、休養林施設予約にすっぽかしがまん延しているからだ。国立休養林キャンプ場の予約競争率は5倍を上回るほど高い。
しかし、昨年の予約申し込み件数合計8万4881件のうち、連絡もなく予約をすっぽかしたのは10.4%(8824件)だった。予約時刻のわずか30分-1時間前にキャンセルする「ドタキャン」も7.2%(6093件)に達した。昨年8月に国立自然休養林管理所が利用者を対象に行ったアンケート調査でも、回答者1338人のうち95.4%(1276人)が「すっぽかし利用者に対し罰則を科す必要がある」と答えた。休養林管理所関係者は「『すっぽかしはほかの利用者の機会を奪うこと』という点では市民の共通認識ができているので、約束を破れば損失があるという原則を適用する必要がある」と語った。