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バス内の写真“天井押しつぶされ 極めて狭い”
2月15日 4時39分

バス内の写真“天井押しつぶされ 極めて狭い”
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乗客乗員15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で、NHKは、事故を起こしたバスの車内を写した写真を入手しました。写真からは天井や車体の側面が激しく押しつぶされ、車内空間が極めて狭くなっていたことが分かり、専門家は、国が基準を設けて車体の強度を高める必要があると指摘しています。
先月15日、長野県軽井沢町で大学生を乗せたスキーツアーのバスが道路下に転落し15人が死亡した事故で、バスは、事故直前に制限速度のおよそ2倍の時速96キロで走行して転落したことが分かっています。
NHKは、今回、事故を起こしたバスの車内を写した複数の写真を入手しました。乗客がいた座席部分を写した写真では、立ち木と衝突した衝撃でバスの天井が「く」の字型に大きくへこみ、一部の座席が天井に押しつぶされて床に倒れているのが確認できます。天井全体も座席の真上まで迫り、車内空間が極めて狭くなっていたことが分かります。
別の写真では、窓ガラスが大きく割れ、複数の座席が完全に車外に露出した状態になっています。
また、運転席を写した写真では、速度計などの計器類は大きく壊れ、ハンドルが切断されているほか、座席右側の窓ガラスや車体のフレームはめちゃくちゃに壊れ、一部がえぐられるようになくなっています。
国土交通省によりますと、日本では、大型バスに、横転した場合の車体強度の基準はありませんが、メーカー各社は自主的に国際的な基準に適合させていて、今回のバスもその基準を満たしていたということです。

専門家「車体強度の向上を」

自動車工学が専門の日本大学工学部の西本哲也教授は、バスの車体を写した写真を見て、「天井部分に押されて座席が外に飛び出すような状態になっている。ここまで大きく車体が変形すると、この付近にいた乗客は即死に近い状態だったと推定される」と分析しています。さらに、「バス上部の乗客がいる空間が大きく破損しているのに対して窓枠より下の部分は比較的変形していない。窓枠を大きくとる構造にも原因がある」と述べ、大型バス特有の車体構造が深刻な被害につながった可能性を指摘しました。
そのうえで、西本教授は、今回のような車体の破損はまれなケースだとしながらも、「日本には、バスが横転した際の車体強度の安全基準がない。基準を導入して窓枠や側面部分、天井の部分の強度を上げる必要がある」と述べ、国は今回の事故を教訓に安全基準を設けてさらに車体の強度を高める必要性を指摘しています。

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