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 熱帯雨林は謎の宝庫だ。小さな世界に目を凝らせば、まるで人間の建築デザイナーが作ったかのような、芸術的な天然の建造物を目にすることができる。

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1.檻の要塞タイプ コケガの幼虫(ヒトリガ科) シンガポール


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 コケガの幼虫は毛やトゲを繭糸で編み堅牢な檻を作り出す。

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 長く突き出た毛は、蛹の準備が整った暁には檻の素材になる。

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 檻は四角い格子を描く。1本の毛だけでは長さが足りないため、末端をつなぎ合わせて使用する。

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 幼虫は繭糸で檻の中にぶら下がる。湾曲した毛の檻は驚くほど頑丈で、捕食者が圧力を加えても押し返して、蛹を安全に守る。

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 間もなく羽化するであろう蛹。目や触覚、羽が透けて見える。羽化の場面が撮影されたことはまだないが、抜け殻が檻の外に残されていることから、羽化の前に檻から出ているようだ。檻の尖った側の両端は結合されておらず、これが蛹の一方通行の出口になると思われる。

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 こちらが成虫の姿。

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 いくら頑丈な檻であっても全ての外敵から身を守れるわけではない。特に寄生捕食者は檻ができる前に幼虫に卵を産み付けるため、危険な存在である。中には葉っぱに卵を産みつけ、それを食べた幼虫に寄生するものもいる。

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 冬虫夏草に冒され犠牲になるものも。


2.ログハウスタイプ ミノムシ(ミノガ科) シンガポール


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 美しい螺旋を描く小枝で作られたピラミッド。成長とともに大きな枝を使用するため、下へ向かうほどサイズが大きくなる。

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 丁寧に積み重ねられた螺旋構造は、ログハウスにそっくりだ。これは上の写真と同じものである。どの角度から眺めても、全く同じ対称な作りをしている。一体どのようにして小枝のサイズを揃えたのだろうか?

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 ときには対称性を気にしないものもいる。この作品は場当たり的に作られたようだが、それでも小枝のサイズは徐々に大きくなっている。

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 やたらと長いのが1本。これからノコギリで切り落とすのだろうか?

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 ピラミッド状でないものも。こちらは小枝を平行に組み合わせた筒状の蓑を葉っぱから垂直に取り付けてある。

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 怠け者はどこの世界にもいる。ただ枝の上に寝かせた作り。今後の精進を期待か?

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 これは蓑の抜け殻。寄生捕食者の餌食になることも。ヤドリバエ科のハエの中にはミノムシに卵を産みつけ、蓑が作られたときに宿主を餌にするものがいる。蓑の中にいたミノムシは無事ミノガになれたのだろうか? それとも寄生された成れの果てなのだろうか?


3.ミステリーサークルタイプ ペルー


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 ペルーを流れるアマゾン川の中に形成された小さな島の奥深くに、糸で織られた謎めいた構造物が発見された。中央のタワーは支持糸が張られ、周囲に繊細なフェンスが張り巡らされている。昆虫学者はこれは蜘蛛の卵嚢の一種だと考えている。

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 こちらはすでに廃棄されたもの。

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 こちらもはるか以前に廃棄されたらしく、フェンスの残骸のみが残る。

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 2013年、調査チームがついに謎を解明した。回収したサンプルからちっちゃな蜘蛛が孵化したのだ!

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  今日に至るまで、蜘蛛の子供は特定の科の特徴を示しておらず、その正体は判明していない。その生態を解明したいと望む方は、コルパ島(Collpa Island)へ足を運ぶといい。

名だたる学者ですら正体がわからない、芸術的な造形をした謎の生命体がアマゾンで発見される



4.密林のテントタイプ ミノムシ(ミノガ科) シンガポール


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 ミノムシなら蓑の素材に必ず小枝を利用するわけではない。これは枯葉でテントを作るのが得意な種だ。

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 繭糸の層の下からミノムシの姿をがちらりと伺える。成虫になった個体の抜け殻である可能性も。

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 エッフェル塔のようにグイッとそそり立ったタイプ。地域によっては密林の仏塔と呼ぶようだ。

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  前衛アートのようだ。

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 メスは一生を蓑の中で終えるが、オスは成虫になると先端から外の世界へ出てくる。


5.コクーンタイプ Urodidaeの一種 ペルー


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 オレンジ色の繊細なる卵型をした網の中で羽化を待つUrodidaeに属する蛾の幼虫。木からぶら下がったこの建造物の下部には穴が開いており、成虫になるとこの穴からスルっとでてくる。

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 この網状の繭は、雨が降ると雨水がヴェールのように覆い中に水が入ることはない。またアリの侵入を防ぐという、非常に計算された作りとなっている。

6.糞のバリケードタイプ 


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 滅多に見れない代物。繊細に織られた周囲には、おそらくは幼虫の糞と思われる黒い物質のバリケードが築かれている。まさかその臭いで外敵を撃退しようとでもいうのだろうか? 今の段階では神のみぞ知るだ。

via:sgmacro・.amusingplanet

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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:39
  • ID:UH4sDDnA0 #

異文化感あって面白いなー
SFの世界のようだ

2

2. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:40
  • ID:DKsNboq60 #

何この未来感。

3

3. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:41
  • ID:48Ha5xLM0 #

いやぁ5のコクーンタイプ?はすげぇなぁ。
進化って奴は偉大なもんだ。

4

4. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:44
  • ID:Xn924jn80 #

タイトルのセンスがイイネ

5

5. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:47
  • ID:qc99Pyvz0 #

コクーンタイプの完成度で驚愕した

6

6. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:47
  • ID:8RUvEdYC0 #

人間だけが文明を持ってると
思ったなら大間違いだぞって感じですね(´・ω・`)

どこか遠い星で昆虫サイズの文明が・・・・

7

7. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:54
  • ID:kBWX8Hds0 #

「親御さん」の定型句が出なかった事が気にならない程、
とにかく見事な創造物だわ

8

8. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:54
  • ID:ZxbBKl4A0 #

自然は芸術だ!

9

9. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 20:58
  • ID:3h7bzXrp0 #

小さい頃、興味本位でミノムシを裸に向いてトラウマになったのは僕だけじゃないはず。

10

10. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 21:06
  • ID:7CADW7.N0 #

柱や壁に歪なストレスが掛からない様に設計、施工するのはとても難しいんですが、野生動物や昆虫達はそれを何処で学んだのだろうか?と思う物が多々ありますよね。
人間なんか市販品のハンモックすら丈夫に吊るせずに後頭部を強打する間抜けも居るのに。メチャ痛かったんでけどっ!
(メーカーに八つ当たりするクレーマー感)

11

11. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 21:16
  • ID:TrrLJE4j0 #

ものすごい器用さだね。

12

12. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 21:19
  • ID:txByUDc30 #

見てて楽しかった!昆虫には建築の天才が多いよね。彼らから得られるものはまだまだたくさんあるんだろうなぁ。

13

13. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 21:21
  • ID:C8IOfOVj0 #

すごいなぁ〜!みんなそれぞれの工夫があって感心してしまう。機能性もすごいし見た目の美しさもあるし。職人芸だね。

14

14. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 21:36
  • ID:Jg46IER10 #

5番なんて人が作ったみたいだな

15

15. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 21:58
  • ID:OHILs.0U0 #

初めて知ったものばかり
檻やミステリーサークルやコクーンをコレクションしたい

16

16. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 22:14
  • ID:9fD.xSZw0 #

コクーンタイプが冷凍みかんのネットにしか見えない

17

17. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 22:18
  • ID:tbdzf.o00 #

毛虫が自分の毛を建材にして繭を作るなんて、想像したことすらなかった。
まさに事実は小説よりも奇なり。自然って本当に凄い。

18

18. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 22:21
  • ID:Vp.puTYZ0 #

個体によって微妙に形違うのが良いね。三匹のこぶたみたい。

19

19. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 22:28
  • ID:2QUyM7Co0 #

蟻塚がないじゃないか

20

20. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 22:51
  • ID:7CADW7.N0 #

クモの子供がフチコマ(タチコマの前のやつ)みたいで可愛い

21

21. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 22:57
  • ID:edQwRbiq0 #

多くの科学者が創造論に転向するのもうなずける

22

22. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 23:03
  • ID:kk4tPVF.0 #

とっても美しいです。

23

23. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 23:23
  • ID:67k58fvk0 #

ずぼらなミノムシがかわいい

24

24. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 23:35
  • ID:BbEOOpsl0 #

生物の極限とも言える英知であり、まだまだ人類には計り知れない知識であると思う
彼らの根本はシンプルイズベストであり、もっとも完成されている姿だろうね

25

25. 匿名処理班

  • 2016年02月14日 23:36
  • ID:NObFKwJf0 #

2番のログハウスタイプは衝撃的だった。
こういうのは、DNAの中に設計図でも描かれているのだろうか?
又はどういう場合に、どう行動する…という行動基準が有るのだろうか?
枝の長さはどうやって決めている?など不思議だらけで面白い

26

26. 匿名処理班

  • 2016年02月15日 00:33
  • ID:NdJ2WCnC0 #

もう数世紀たてば人もこの様なシンプルで自然に寄り添った生活をするはず
科学よりなにより、自然に存在するものの普遍的要素を利用しない手はない
またしなければ種として生き残れないだろう
この虫達の作った簡素な住まいに科学的合理性を少し加味すれば、人は自然と多種族の生物とより良い共存関係を築けると思うよ
人のための環境保全は自然と共にあることが大前提なんだから

27

27. 匿名処理班

  • 2016年02月15日 00:38
  • ID:U2fVLn4s0 #

5はアートだな



28

28. .

  • 2016年02月15日 00:39
  • ID:qvghSoGc0 #

古代建造物も蟲の巣を再現した物だったかも知れない

29

29. 匿名処理班

  • 2016年02月15日 00:53
  • ID:6Jqc8p040 #

薪割りの斧に蝶の繭が付いてて割れなかったなあ
春先まで丸太のまま放置になりそう
繭を作るところはもっと慎重に考えてほしいな

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