鉄道車両は、安全性や機能性はもちろんですが、デザインも重要。公共の交通機関という性格上、多くの利用者に好印象を与える必要があるからです。また鉄道会社は車両を通じて、自社のポリシーやブランドをアピールすることもできます。
“カモノハシ”700系、東海道新幹線から引退へ 2019年度末
そこで各社のデザイン担当者は頭を悩ませるわけですが、そうして造られた鉄道車両のうち、これまで鉄道ファンなどから自然発生的に、思いがけない“非公式ニックネーム”を付けられるものもありました。
例えば、2019年末で東海道新幹線から引退することが発表された700系。先頭部の独特な形状が動物に見立られ、「カモノハシ」と呼ばれます。
こうした“非公式ニックネーム”が誕生することは、その車両が際立った個性や特徴を持ち、人々に強い印象を残した証ともいえるでしょう。
鉄道車両の“非公式ニックネーム”で最も多いのは、おそらく生き物をイメージしたものではないでしょうか。
その代表的なものが、1954(昭和29)年に登場した東急の初代5000系電車「青ガエル」。丸みを帯びた愛嬌のある車体形状と、ライトグリーンの塗色から受けるイメージからのニックネームです。
この「青ガエル」というニックネームは鉄道ファンのみならず、広く一般にも親しまれました。その車両は渋谷駅のハチ公口に保存・展示されているほか、熊本電鉄で1両だけ、いまなお現役で走っています。
そのほか、動物を連想した“非公式ニックネーム”は「マッコウクジラ」(営団日比谷線3000系)、「いもむし」(名鉄3400系)などがありました。いずれも、その姿を見れば命名理由が説明不要なほど、分かりやすいネーミングです。
車両に新技術を導入した結果、それが外観に表れてニックネームにつながった例もあります。
「弁当箱」というニックネームが付けられたのは、東急の初代7000系電車。日本の鉄道で初めての、オールステンレス車両です。現代の弁当箱といえばプラスチック製が多いですが、この車両が登場した1960年代は、弁当箱といえば銀色のアルミ製でした。
また、改造などで外観が変化し、新たにニックネームが付けられた例も。国鉄の715系・419系電車のうち、一部の車両が「食パン電車」と呼ばれました。
この車両は、不要となった581系・583系特急形寝台電車の中間車を改造し、運転台を取り付けて先頭車にしたもの。もともと3段式の寝台車で天井が高く、車体の断面が縦長だったため、改造によって独特の、のっぺりした縦長の前面形状が誕生。その姿から「食パン電車」とのニックネームが付けられています。
末吉史樹
- 1 韓国の肝いり「リニア」がわずか8分で運行停止 “見切り発車”に追い込まれた理由 産経新聞 2月14日(日)9時30分
- 2 YAMAHAのロゴ、微妙な違いに深い意味 ヤマハは三つの音叉、ヤマハ発動機はバイクのホイールだった! withnews 2月14日(日)10時0分
- 3 「次世代戦闘機」は間違い 日本のステルス実証機X-2、真の目的 乗りものニュース 2月13日(土)10時27分
- 4 写真で見る!発売間近だ!これが先代プリウスをパクったヒュンダイ「IONIQ」の全貌だ! オートックワン 2月8日(月)18時32分
- 5 ヤマザキナビスコ、オレオやリッツの製造終了へ 8月末 朝日新聞デジタル 2月12日(金)20時42分
読み込み中…