【将棋】里見名人の妹・咲紀さんが女流3級に昇格「不安の方が大きい」
2016年2月14日14時13分 スポーツ報知
将棋の里見香奈女流名人(23)=女流王位、女流王将、倉敷藤花=の妹で、養成機関「研修会」に所属している妹の里見咲紀さん(19)が14日、大阪市の関西将棋会館で例会に臨み、女流棋士の仮資格となる女流3級に昇格した。直近成績8勝3敗で迎えたこの日、1局目に勝利して9勝3敗となり、昇格規定を満たした。
プロ棋士の入り口に立った咲紀さんだが、対局後は声を震わせながら取材に対応。「うれしいのもあるけど、正直、まだ実力が足りない。不安の方が大きい」と語り、ほとんど笑顔を見せなかった。昨年11月から再三チャンスがありながら、そのたびに敗戦。とりわけ4連敗した昨年11月22日については「1局目に負けた後、2局目以降は記憶がない」と振り返り、「昇級がかかった対局はいつも指し手が震えた」と打ち明けた。
挫折続きだった2か月あまり、姉の香奈からは「結果はあとからついてくる。強くなることに集中しなさい」とアドバイスを送られ、研究に集中。連日8~10時間、棋譜の勉強やインターネットでの対局に取り組んできた。この日はバレンタインデーだったが、対局後に「今まで全く忘れてました」と漏らすほど、将棋に真正面から向き合ってきた。
今後は2年以内に参加公式棋戦数の4分の3以上の勝ち星を挙げるなどすれば規定を満たし、正規の女流棋士資格である女流2級に昇格する。香奈との対局では好勝負になることもあるというが、「まともにやったら歯が立たない。手を抜いてくれている」と実力差を痛感する日々。「何を比べてもお姉ちゃんは私のはるか上で、すごく尊敬している。今はタイトルとか全く考えられない。とにかく強くなりたい」と、表情を引き締めた。