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Kindleで二千冊持っているぼくの管理方法

honeshabri.hatenablog.com


 『ファンタジスタドール イヴ』いいですね。ぼくも3倍とまでは言えませんが、確実に読む本や漫画の量は増えています。

 これからタイトル通りのことを書こうと思いますが、その前にKindleユーザとしての自分の情報を書いた方が良いと思いますので、書きます。


Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi

Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi


 Kindleは2010年から導入しています。当時は日本語非対応の状態でしたので読める範囲のPDFファイルを入れて遊んでいた程度で、今のように本を読むメイン端末ではありませんでした。
 その後、2012年に日本語版Kindleが発売。コンテンツも急速に揃い始め、端末の解像度や容量も年々進化してきたことで、紙書籍よりもKindle書籍をメインに読むようになりました。
 ぼくの場合、2012年に就職や転居など生活環境の大きな変化があったため、簡単に比較はできませんが、Kindle端末の導入で以前より本を読む量が増えた実感はあります。もちろん積読はそれ以上に増えました。今確認したらKindle書籍を2015保有しているので、保有量だけで見れば上位1%レベルのユーザではないかと思います。
 リンク先の反応ではKindle書籍の管理方法について気にしているものが目立ちましたので、Kindleで2000冊持っているぼくの管理方法について書きます。参考までに。もっと良い方法があれば教えていただければうれしいです。


 その前にリンク先のKindleで読書が捗る理由にもうひとつ、「読みたいときに本が買えて、すぐ読める」を加えておきたいです。
 「この本を読みたい!」って欲望もかなりインスタントなもので、休日に書店へ行って買う頃にはその欲望もだいぶ消えてしまうかもしれませんし、数日後には何か急な用事が入ることもありますので、買ったからと言ってすぐ読めるわけではありません。そもそも書店に行っても在庫がなかったというケースもあります。
 その点、インターネット注文は確実ですし、配送も早いです。それでも、数時間、数日の間に本を読みたい意欲が減退している可能性はやっぱりあります。
 そこでKindleは読みたいと思ったときにすぐに読めることが利点です。ぼくも電車の中で「この漫画おもしろいぞ!」というツイートを見てすぐに買い、30分後には自分も感想をツイートするといったことをやっています。
 他にも片手で操作できるから満員電車の中でも本が読めるとか、Kindle端末に限って言えばボタンを押してページを進める快楽とか(Paperwhiteは物理ボタンがなくて画面タッチなとこがロマンないんですよね~)、液晶画面よりも目に優しいとか、表示範囲が見開きでなく1ページだから集中できるとか、大量の本を持ち運びできるとか、だからテンションによって読みたい本を選べるとか、Kindleヘビーユーザとして書いておきたいことがたくさんあるのですが、今回は管理方法の話がメインなのでここで終わらせます。


 さて管理方法です。はじめにKindleでは管理できない、管理機能が弱いという意見に対してフォローしておきます。Kindleヘビーユーザですので。
 Kindleは検索機能は本当に強くて、自分が覚えている本を探す分には非常に便利です。「買ったことは確かで家の中のどこかにはある本」を探すのは、人や場所によってはけっこう大変な作業ですが、Kindleであれば検索かけて一発で手元に呼び出せます。またやや脱線しますが、新刊を買って積読していたかそもそも買っていなかったか自分でも分からない本をもう1冊買ってしまうリスクも、Kindleであればほぼ無くなります。すでに購入したKindle書籍のページには「何年何月何日に購入しています」という表示が出るからです。ただしバージョンが異なる本(単行本と文庫本で別々に登録されている本など)ではKindleでもこういったリスクを排除できませんので、そこは注意が必要です。そもそもそんなリスクないでしょうと思われる方もおられるでしょうが、消費より購入を優先していてかつ把握できないおっちょこちょいにはたまにあることなんですごめんなさい。と言うかそれが管理できてないってことですね。

 Kindleヘビーユーザとして早速Kindleの管理上のメリットを並べましたが、一方で自分でも忘れてしまった本を探したり、そもそも忘れてしまわないように本を管理するには、Kindleは不向きです。
 対して紙書籍には、「本棚を分けられる(本を置く場所を分けられる)」メリットがあります。よく読む本や大切な本は手の届きやすい場所に、もう読まないだろう本や人目にふれたら生きていけない本はダンボール箱の奥底に。紙書籍ではこういった管理をしているのに、Kindleは全部一緒の場所に置かれてしまうからやりづらいといった感想はよく目にします。
 加えて紙書籍は物理本棚という一覧性も管理上のメリットと思います。とりあえず本棚を見わたせば、自分でも忘れていた本が見つかるからです。
 当然、Kindleでも過去に購入した書籍の一覧ページを表示できます。ですが、どうしても読み込みに時間がかかり、だいぶ前に買ってから一度も読んでいない本を探すのはなかなかに困難です。それでも探そうと思えば探せるのですが、紙書籍の物理本棚という、探そうと思わなくてもふと見渡せば見つかるメリットと比べると、どうしても見劣りします。まあ、そのメリットの裏側には本の分だけスペースをとるというデメリットもあって、そこが嫌で電子書籍が普及した面もあるわけですが。

 そんなわけで整理すると、Kindleで整理(管理)を工夫したいのは、自分でも忘れてしまった本を探したり、そもそも忘れてしまわないような管理の仕組みです。
 そういえばここまでずっとスルーしていましたが、Kindleにはコレクションという管理機能があります。これがなかなかに不評で、ぼくも使ったことすらないのでやっぱりスルーします。


 ぼくがKindleの管理に使っているのは、いわゆるソーシャル本棚です。


mediamarker.net


 メディアマーカーを使っています。外部ツール頼りなのはKindleヘビーユーザとしてはちょっと悔しいですが、ソーシャル本棚は紙書籍でも全然使うものなので良しとします。サービスが終わったらどうするんだよってのは、むしろKindle書籍そのものに言われていてそっちの方が深刻な問題ですので、最悪他の似たようなサービスに乗り換えられるソーシャル本棚の利用はそこまでのリスクにはならないかなと。

 メディアマーカーは読書状況(未読・読中・読了)や評価(星の数)で本を管理しますが、プラスして個人で決めたタグ付けができる点が、管理上の良いところです。
 例えば昔読んだ百合ジャンルの良かった本を探したいな~と思ったときには、評価5つ星の中で百合のタグをたどれば、すぐに自分が評価5つ星を付けた百合ジャンルの作品が探し出せます。
 前述の通り把握している本を探すのはKindleも得意ですので、タイトルが分かってしまえばもう解決したも同然です。
 このタグは自分で自由に決められるので、例えば「2015年」というタグで2015年に読んだ本を探しやすくしたり、「再読したい本」というタグで再読したい本を管理したりも自由です。タグを多くし過ぎると今度は管理のコストが上がるので、その点は要注意ですが。

 こういう管理が大変な場合は、管理したい重要な本だけを登録するのも有りだと思います。Kindle書籍は自分が消さない限りはクラウドに残るので(たまにAmazonが消して問題になってますが)、一度読んで十分な本はあえて外部ツールで管理しなくても、自分が覚えていて検索すれば見つけられる状態になります。紙書籍で言えば本棚に並べきれない本をダンボール箱の中に入れて部屋の隅に置いている状態ですね。自分にとって重要な紙書籍を優先して本棚に並べるように、Kindle書籍も管理レベルに差をつけるのは全然有りです。

 外部サービスを利用しているのでKindle書籍のメリットとしては推せませんが、タグ付け自体は紙書籍や物理本棚ではできない機能で便利です(もちろん紙書籍でも同じようにソーシャル本棚を使えばできますが)。
 しかしこの管理方法でも、先に上げた物理本棚のメリット「とりあえず本棚を見わたせば、自分でも忘れていた本が見つかる」には及ばず、あくまで自分がタグ付けしたものを、そのタグを辿って見つけることができるというレベルに止まります。ですのでタグ以外の文脈で本を探したいときや、探したいタグ自体を持っていない状態で自分でも分かっていない何かを探したいようなときには、紙書籍・物理本棚に敵いません。
 敵いませんが、そこまでして戦う必要もないかと思います。紙VS電子という対立が煽られてまるでどちらか一方になってしまうような意見も出ていますが、実際には電子書籍の購入層は他と比べて紙書籍も買っていて、それぞれのメリットを使い分けているのが実情と思います。

 紙VS電子という対立から離れて、紙書籍で買うものとKindle書籍で買うものを分けたり、紙書籍でも電子書籍でも両方買ったりすれば、それぞれのメリットを使い分けられて便利です。
 ぼくの持っている2000のKindle書籍の中にも、紙書籍でも持っている本がいくつもあります。電子化することで省スペースという観点からは本末転倒な行為ですね。
 これをやるのはコレクター欲や著者への貢献という意味もありますが、一番は両方持っていた方が両方のメリットを使い分けられて便利だからです。それは管理のことだけを言っているわけではなく、実際に読むときにもそれぞれにメリットがあります。
 外出時に読みたいときは大量に持ち歩けるKindleの方が便利ですし、さらっと中身を確認したいときや、検索で辿り着けないページをぱらぱらと探したいときには紙書籍が便利です。
 Kindle書籍の管理については上に書いた通りですが、管理も紙VS電子のどちらか一方を選ぶのではなく、物理本棚とソーシャル本棚に分けてやると便利ですということで。

 また管理は本棚だけでやるものではなく、例えばこのブログだって立派な管理の場になります。
 ぼくは毎年読んだ漫画のベスト記事を書いたり、「今週の黒ロン」というタイトルで定期的に黒髪ロングなコンテンツのレビューをしているので、過去のブログ記事を検索してみれば自分でも忘れてしまった作品を思い出す助けになります。


 以上で終わりですが、最後にリンク先にならっておすすめのKindle書籍を紹介します。



 現存する最強の黒髪ロング描きこと冬目景先生の代表作。スキあれば黒ロンっすよ!


トクサツガガガ(1) (ビッグコミックス)

トクサツガガガ(1) (ビッグコミックス)


 昨年の漫画ベスト。こちらはレビューがうまく書けたのでご参考に。

mercury-c.hateblo.jp



煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物 (講談社文庫)


 同作者の『ディスコ探偵水曜日』からハンドルネームおよびブログ名をとっています。ディスコがKindleストアにないのでこちらで。


王とサーカス

王とサーカス


 昨年の黒ロン小説ベスト。『さよなら妖精』の続編として読むとまた泣けますね。