産経WEST

【統一地方選】「都構想」に周辺自治体巻き込めず 維新系3市長選敗北

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【統一地方選】
「都構想」に周辺自治体巻き込めず 維新系3市長選敗北

市長選で3選を決め、支持者らに大きく手を振り上げる田中誠太氏=26日夜、大阪府八尾市(山田哲司撮影)

 26日投開票の統一地方選後半戦で、大阪維新の会は自民などと対立する形で候補者を推薦した3市長選すべてで敗れた。27日に告示される「大阪都構想」の住民投票に向けて、大阪市の周辺自治体を巻き込んだ「グレーター大阪」を目指す思惑は不調に終わった。

 当初、3市長選は、いずれの陣営も積極的に都構想への参加の是非を争点とはしていなかった。維新は平成25年に都構想への参加が争点となった堺市長選で加入反対の現職に敗れており、維新の松井一郎幹事長は投票前の22日に「(市長選は)住民投票の支持拡大とは直接はリンクしない」と述べ、争点化に慎重な姿勢を示していた。

 自公推薦の新人、後藤圭二氏が、現職で維新推薦の井上哲也氏を破った吹田市長選でも、後藤氏は当初、「政策なき市民サービスの切り捨て」など、4年間の井上市政を批判する戦略をとっていた。しかし、後藤氏は最終盤になって、訴えの中心を都構想批判に切り替えた。税収が豊かな吹田市は「吹田区になれば、大阪都のなかで(行政サービスが)平均化されてしまう」との訴えに手応えがあったためだという。

 敗れた井上氏は「改革には一定の成果があったが痛みを伴った」と敗因を分析したが、結果として大阪市の周辺自治体の住民は当面、都構想への参加に否定的な意思を示した。こうした選挙結果が、住民投票での大阪市民の判断にどう影響するのか。井上氏は「(影響が)ないことを望んでいる」と語るにとどめた。

関連トピックス

関連ニュース

【統一地方選】都構想 追い風ならず 大阪3市敗北 維新、思惑外れる

「産経WEST」のランキング