吉田晋
2016年2月14日03時00分
原発事故で飛散した放射性物質による健康被害を心配する人たちのために、民間団体が続けている甲状腺検査が13日、牛久市であった。親に連れられ受診した子どもたちは68人。このうち3分の1は新規の希望者で、事故を招いた東日本大震災から5年経つ今なお、不安を抱えながら声を上げられないままできた親たちもいることがうかがえた。
「最大3・4ミリ。前回の検査と変わらないから、ご安心ください」
ビルの一室を暗幕で仕切った仮設の検査室で、ベッドに横たわった女児と傍らに立つ母親に、医師が声をかけた。気管の両側にある甲状腺の様子を超音波検査装置の画面に映し出し、水がたまった袋状の「囊胞(のうほう)」を指さして説明する。
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