大阪府議会は27日、大阪都構想の法定協議会委員を各会派の議席数に応じて決める議会規則改正案の審議を巡り、大阪維新の会と公明、自民など野党が対立、本会議場でもみ合いになった。岡沢健二議長(維新)は午後5時で流会としたが、反発する野党側は「仮議長」を選任したとして規則改正案などを「可決」。議決が有効か無効か双方の主張は割れている。
府議会臨時会は異例のお盆の15日に開会し、27日が最終日。規則改正案は、維新が過半数を握る議会運営委員会で26日、本会議で審議せずと決まったが、野党は27日、過半数を持つ本会議で採決するよう動議を提出。岡沢議長は取り上げず、休憩を宣言した。
維新は単独で議運委を開き、定刻の午後5時になったとして、議運委員長を兼ねる議長が流会を宣言。野党は本会議場で議長席に残った維新出身の副議長に詰め寄り、維新・野党双方の議員がもみ合い、怒号も飛んだ。
その後、野党側57人は、地方自治法が定める「議長、副議長ともに事故があるとき」に当たるとして、元維新で無所属の会の奥田康司府議を「仮議長」に選び、規則改正案と、法定協の都構想協定書を無効とする決議を「可決」。記者会見で「議決は有効。(野党議員を過半数とする)新しい法定協委員名簿を議長に提出する」と主張した。
一方、維新側は「流会後の審議は無効」と主張。松井一郎知事(維新幹事長)は記者団に「野党は法定協つぶしありき。残念で仕方がない」と野党側を批判した。
府議会事務局は「議会規則で本会議は午後1~5時で、議長が延長を宣告しなければ午後5時に自然流会する」と説明。野党は「地方自治法上、本会議は議決なしで閉会できない」(公明幹部)と反論している。
ただ、改正規則の公布は議長権限で、野党が目指す形での法定協再開は難しい状況だ。野党側は、法定協に代わる「勉強会」を開き、都構想への反対姿勢をアピールすることも検討している。
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