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【あめりかノート】「多民族の同化」か「連合体」か 今回の大統領選は国の根幹を問うている 古森義久

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【あめりかノート】
「多民族の同化」か「連合体」か 今回の大統領選は国の根幹を問うている 古森義久

9日、米ニューハンプシャー州マンチェスターで勝利宣言するトランプ氏 9日、米ニューハンプシャー州マンチェスターで勝利宣言するトランプ氏

 だがその選挙で勝ったカーター氏も4年後の共和党レーガン候補との論戦では「娘のエイミーも核兵器の管理が重要だと話していました」という発言で人気を一気に落とした。12歳の少女の言を後生大事に紹介する非常識を責められたわけだ。

 他の年にも「致命的な一言」がよくあった。候補者の言葉の責任だった。だが今回はトランプ候補の発言には暴言、失言が多いが、人気の下降にはつながらない。明らかに今回の特徴であり、その理由は多々あるだろう。

 さてこれまで取材してきた10回近くの大統領選挙の共通項はやはり保守主義とリベラリズムというイデオロギーの対立だった。内政では民間や個人の自由を優先し、政府の役割を抑える「小さな政府」と、政府の規制や福祉を優先する「大きな政府」との対立である。外交では米国の価値観の投射や軍事力の抑止効果をどこまで重視するかが分かれ目となる。

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