フランス人宣教師が見た20世紀初頭の朝鮮

 同書は、改新教躍進の秘密として▲莫大(ばくだい)な物量(天主教は延べ3万円、改新教は200万円)▲指導層に対する宣教▲実用性▲革新性-を挙げている。同書は「改新教の牧師たちは『アングロ・サクソン民族らしい』実用的な観点から、教育機関やYMCAを通したスポーツ教育にも乗り出している。改新教は、その固有の精神と教育制度により、必然的に革新」と記す。「改新教は、学生たちの国民性を変化させるまでに至っている。逆に、本質的に保守の天主教は、根付いた場所において、当地の人々の慣習にいともたやすく適応する」。改新教の宣教師が「日本人になることを望まないなら、改新教を信仰せよ。米国が君の背中を守ってくれるだろう」と言って「米国の力」を活用したという点も興味深い。

 だが、天主教もまた希望を失わない。同書は「改新教徒の数は29万5698人に上っているが、そのうち、洗礼を受けた人数は10万3957人にすぎない。情熱的な天主教徒たちよ、キリストの宣教師たちを熱心に助け、君たちの祈りと哀れみ、犠牲を通して新たな勝利のときを引き寄せられるようにすべし」と語る。

■仏教・天道教・大ソウ教

 同書は朝鮮総督府の統計を引用し、1923年の時点で仏教の僧侶が男女合わせて7600人、本寺は40、末寺は1306存在したと記している。また「日本人は神道を持ち込んで普及させようと格闘しており、既に6000人近い朝鮮人がその追従者となった」と記した。天道教については「儒・仏・仙の混合にキリスト教を多少加味している。教徒の数は数十万に達する」と記録し、そのほか侍天教、大ソウ教(ソウはにんべんに宗)、檀君教、青林教、太一教などが生まれたと伝えている。

金翰秀(キム・ハンス)記者
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