絵を描く楽しさ。
以前にも書いたが、自分は子供の頃漫画家になりたかった。だが、いろいろな事情から諦めた。
まず、最大の要因は画力のなさだ。
画力と言ってもいろいろあって、自分の場合人物や自然の背景描写なんかは問題なかった。問題だったのは現代的な背景描写、モブシーン、室内の描写なんかだ。完全に独学だったので、そのあたりがまるっきり駄目だった。
まあ、それくらいなら漫画家さんのアシスタントになるかなんかして、何年も修行すればおそらく身につけることが出来たかもしれない。だが、自分に足りていなかったのはその情熱だ。そこまでして絵を描くことを仕事にする勇気が無かったのである。
小学校2年生から絵を描き始め、大学を卒業するまでチマチマと漫画を描いていたのは、ひとえに描くのが好きだったからだ。だが、絵を描くことを仕事にしてしまったら、ひょっとしたら苦痛になってしまうかもしれない。楽しかったことが楽しくなくなるのが怖かった。
なーんていうもっともらしい理由をつけて、漫画家にならなくていい理由を探していただけかもしれない。
時代の進歩。
就職してからもチョコチョコ絵は描いていた。PCを買ってからは、デジタルで絵を描くことに憧れた。近所の電気屋さんからIntuos2を買ってきて、シェアウェアのOpenCanvasというアプリケーションを買い、いろいろな本を買ってレイヤーを駆使したデジタルイラストに挑戦したりした。
だが、次第に絵を描く時間は無くなっていった。
地元に帰って来た時には20代半ばだった。ゲームをやったりサッカーを見たり、他のことをやっているとなかなかPCを立ち上げてペンタブを手にとって…というのが面倒くさくなってきた。
30代になると、結婚したこともありますます時間はなくなった。アパートに引っ越し、メインマシンがWindowsデスクトップからMacBook Proに変わると、ますます絵をかこうという情熱が減っていった。
やはり、最初の一歩のハードルが高くなると、人間なかなかやらなくなるものだ。
だが、最近になって突然絵を描きたい衝動に駆られた。なぜかはわからない。とにかく、絵を描きたくなったのだ。
いまはテクノロジーが進歩して、デスクトップPCではなく、iPadにスタイラスを使って絵を描くことも出来る。iPadなら、描きたい時にぱっと初めて、なにかあったらすぐやめることができる。
というわけで、WACOMのスタイラスペン「BambooFineLine」と、お絵かきアプリ「ProCreate」を買った。
基本に立ち返ろう。
前述した通り、自分の絵は完全に独学だ。絵を描く時も、実はアタリなんてつけたことがない。だいたい下書きの線も殆ど一発書きだ。だから、結構デッサンが狂っていることが多かった。
そもそもデッサンが狂ってないかどうかは、いつも紙を裏から透かしたりして確かめていたが、なかなか治らなかった。だが、デジタルなら簡単に反転させられるので、ちゃんとアタリをつけて反転しながら描いていけば、それなりにちゃんとした絵が描けるようになるんじゃないか?
今回買ったスタイラスペン「BambooFineLine」は、1024段階の筆圧感知機能が付いていて、手のひらなんかが画面に触れていても反応しない「パームリジェクション」という機能も付いているけど、この辺はまあまあといったところで、時々誤作動っぽい挙動も見られるが、自分の使い方が悪いだけかもしれないのでまだわからない。
このスタイラスを選んだのは、ペン先が1.9ミリと細いことだ。よくスタイラスにありがちなゴムっぽい感触は苦手だったので、従来のWACOMのスタイラスっぽいこのペン先が欲しかった。上位機種の「CreativeStylus」もあるけど、流石にお試しに8000円はキツかったのでやめておいた。
このスタイラスとペイントツールのレビューは、もっと色々使いこなせるようになって来たら書いてみようかなと思う。
そんなこんなで、10年ぶりくらいに絵を描いてみた。
レイヤーが使えるアプリケーションをいじるの自体がホントに10年ぶりで、まだ全然使いこなせていないので、とりあえずラフスケッチを描いてみた。
【ラフ】「10年ぶりに描いたイラスト(ラフ)」イラスト/ゆきぼう [pixiv]
自分の中では、絵の感じが2000年代初頭で止まっているので、もうちょっと今風の絵を描けるように練習をしていこうと思う。
まずは本当に基礎の基礎から。
しばらくは棒人間からダンボール人間の練習だな〜
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